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黄色ベスト運動の正体は地方出身者だった!?欧米先進国で「地方人の大都市への反乱」が大きな政治潮流に

首都パリを筆頭にフランス全土で激化する黄色ベスト運動。大規模デモ隊が暴徒化し、数百人規模の逮捕者・負傷者が出る事態が連日続いている。識者らは参加者が特定のイデオロギーに特化した集団ではなく極右から極左までを糾合していることを指摘。思想を超えた共通点はみな"地方人"ばかりであることだ

更新日: 2018年12月03日

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イギリスのEU離脱も、トランプ大統領旋風も、根柢は同じ?「地方人の氾濫」が欧米主要各国の政治潮流になっている

gudachanさん

思想対立を超えた「地方の人間である」という共通点

黄色ベスト集団で埋め尽くされるシャンゼリゼ通り。本来ならクリスマスムードに包まれた空間は、自動車や商店が襲撃され、花の都パリは激しい炎と怒りに包まれた。この異様な光景をもたらした背景には、地方人による都市への憎悪感情があるという

デモ参加者には2017年選挙でマクロン氏に対抗した右派の支持者が目立つが、一方で左派系の労働組合関係者も少なくなく、極右政党から極左政党に至るまで幅広い野党もこのデモを公式に支持している。さらに参加者の多くは地方在住者で、このデモには「都市に対する地方の反乱」としての顔もある。

L'Obes紙に掲載された人口統計学者のエルベ・ル・ブラ氏の統計によると、「Diagonale du vide (空っぽの斜め線)」と呼ばれる、フランス北東部のムーズ県から南西部のランド圏を結ぶ人口密度が低いエリアで、黄色ベストの割合が高いと言う。
さらに2017年11月にCrédocが発表した調査によると、フランス人の10人中3人が地理的・社会的にも政府から見捨てられたと感じると答えており、回答者は地方在住者が多かった。

▼欧米では一昨年、地方人の反乱が政治の常識をひっくり返した

英国EU離脱の裏に保革を超えた「地方ナショナリズム」の台頭

一昨年、世界中を驚かせたイギリスのEU離脱、いわゆるBrexit(ブレグジット)は、離脱を選んだのは地方人が圧倒的だった。一方の大都市は残留派。世論の分断が明らかになった

英国の地方都市では増え続ける移民達に仕事を奪われた労働者達の声なき声がEU離脱の後押しをしたことも無視できない。ロンドンなどの大都市部ではEUからの離脱を希望する市民は少ないようだが、地方都市では保守派も革新派もやはり「EU嫌い」で「移民嫌い」な人々が優勢であったようだ。地方の労働者の声なき声が決定打となったのである。

・若者層に残留支持が多く、高齢者層に離脱支持が多い
・地域的にはイングランドで離脱支持が優勢で、スコットランドでは残留支持が多数派を占めた
・イングランドでは首都ロンドンは残留支持が多数派で、北東部の工業地域など地方では離脱支持が優勢だった

上記の特徴を一括りにするなら、国民投票は「地方的ナショナリズム」と「都市的リベラリズム」の対立だったと言えるかもしれない。

ドナルド・トランプを大統領にさせた地方人の反乱

同年に実施されたアメリカ大統領選挙。トランプ現大統領を支持したのも、移民に反対し自国中心主義的な傾向を持つ地方在住者だった。中西部のラストベルト地帯在住者たちは、伝統的には労組を通じた民主党支持層であったが、トランプ氏の大統領出馬によって共和党支持に転じた。これが決め手となり番狂わせが起きたようだ

「アメリカを再び偉大に」―。トランプ大統領が一貫して訴えてきたのは、白人が優位だった時代の回復です。米国の白人はいま、減少の一途。移民急増に伴い、人口の大半を占め豊かでいられた時代が終わるのではという地方の白人労働者層の危機感が、差別的言動の大統領の支持につながる背景を紹介します。

ところで、アメリカ北部、五大湖周辺は製鉄・鉄鋼業を中心とした、いわゆる「ラストベルト」(「錆びた鉄地帯」)と呼ばれ、製造業地域で、伝統的に労働組合が強く、民主党の地盤だった。
トランプは、この地域を集中的に狙い、「敵陣」の切り崩しに力を注ぎました。経済の衰退で失業者が増え、不満と不安がうっ積していました。民主
党はこれまで、こうした労働者にあまり目を向けてきませんでした。
既成政治への批判と自由貿易反対を掲げ、「変化」を訴えるトランプ氏が「私があなた方の声になる」と集中的に語りかけのです。

1つの国内で分裂する都市世論と地方世論

これまでの常識では、都市であろうと地方であろうと同じ国内であれば国民世論は概ね同じ方向性を向いているものが当たり前というものだったが、少なくとも欧米先進国では、思想の違いを超えた都市世論、地方世論という異なる世論空間の形成が起きているようだ

英国の大都市は、小さな町や地方の農村部などと比べて、人種的、民族的にはるかに多様である。いわゆるミレニアル世代が逃げ込む先は都市部なのだ。米国でも同様に、都市部は地方と比べてはるかに多様性に富んでおり、政治的には進歩主義だ。米国で最も人口の多い30都市のうち、現在28都市の市長が民主党である。これは、米国の政党政治の歴史上、最大の不均衡である。
逆に、英米両国で移民に対する最も強い抵抗が見られるのは、実際にはほとんど移民の流入を経験したことのないような、偏狭な地方地域である場合が多い。一般に、こうした地域における世界観は、既存の均質性を保っていくことが前提になっている。

アメリカ大統領選挙や、その半年前にイギリスで行われた、EUに残るか離脱するかの国民投票の結果が、トランプ大統領とブレグジット(離脱)の勝利に終わったこと、そしてそれをメディアが予測できなかったことがあったと思われます。
 アメリカやイギリスのメディアが、中央(大都市)目線になってしまっていて、国内(地方)に違う声があることを理解していなかったのではないか。格差などが原因で、社会が分断され、両極化していることを軽視していたのではないか。

米英では都市世論も潮流変化が起きている

Brexitのあった2016年には、首都ロンドン市で史上初のイスラム系移民サディク・カーン市長(左)が誕生。また、国政最大野党の労働党の代表にサッチャー政権以来のイギリスの政治的方向性に異を唱えるジェレミー・コービン氏(右)が当選するなど、大きな番狂わせが起きた。これらを支持したのは、都市部の、主に若者層だ

2016年5月7日(土)に英国統一地方選が行われ、ロンドン市長には、サディク・カーンが当選した。イスラム教徒の市長が誕生したのは、EU加盟国首都のなかでも初めてのことである。市長選は、12人の候補者のなかから、バス運転手を父に持つ労働党のサディク・カーンと、資産家を父に持つ保守党のザック・ゴールドスミスの一騎打ちとなり、最終的にカーンが選ばれた。タ

英国の野党、労働党の党首選で、反戦、反緊縮、移民保護を掲げる社会主義者のジェレミー・コービン議員が6割近い票を獲得して圧勝し、内外に衝撃が走りました。英国のマスコミはパニックに陥り、これで政権獲得の芽はなくなった、「労働党の自殺行為」だ、などと一斉に酷評しました。

アメリカの中間選挙ではニューヨーク州連邦下院選において、オカシオコルテス氏が当選。彼女は日本でいえば平成生まれの29歳。移民の親を持ち、労働者階級出身。政界のエスタブリッシュメントとは無縁で1年前までウエートレスだったという背景と、従来のアメリカの常識を覆す政策が話題を呼んだ

彼女はニューヨークのブロンクス地区で、労働者階級の両親のもとに生まれた。母親は自治領プエルトリコ出身。父親はブロンクス南部で零細企業を営んでいたが2008年に肺がんで亡くなった。彼女は米ボストン大学に在学中、民主党上院議員で2009年に死去したテッド・ケネディの下で移民問題に取り組み、卒業後は教育分野やコミュニティ・オーガナイザー(社会福祉活動家)として活動。下院選には民主社会主義者として初出馬した。

コルテスは、2016年の大統領選挙で、民主党から立候補した若者に人気のバーニー・サンダース上院議員(76)の選挙を支援し、「国民皆保険」「大学授業料の無料化」など民主社会主義的な公約を掲げた。プエルトリコ系で、移民が多数派を占めるクィーンズ区で、白人が下院に選出されているのはおかしいと訴えて、大勝した。

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