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「ベテラン介護福祉士8万円賃上げ」しかし介護業界の人手不足は深刻

介護職員の待遇改善策として既に制度化されている処遇改善加算とは別に、来年10月に新たな加算が設けられます。業界で10年以上働いている介護福祉士など、経験・技能のある介護職員が中心となる加算で、深刻な介護職員不足の解消が目的です。

更新日: 2018年12月19日

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yutaganbareさん

介護職員の新たな処遇改善加算についての議論が進んでいる

11月22日に厚生労働省は、社会保障審議会・介護給付費分科会の場で、熟練の介護職員を中心とした来年10月に創設予定の新加算について、既存の「処遇改善加算」の取得を算定上の要件とする方針を提案。同会議でその大筋が了承されました。

現在議論されている新加算は、来年の消費税引き上げに伴い、「特別の介護報酬プラス改定」として行われます。介護職員の待遇改善策としては既に「処遇改善加算」が制度化されていますが、来年10月の新加算はこれとは別のものとして、特に「介護福祉士」を対象とした加算を設ける方針です。

事業所ごとに月8万円の賃上げとなる介護福祉士が1人以上

勤続10年以上の介護福祉士など、経験・技能のある介護職員を最も重視してもらう方針。月8万円の賃上げとなる人、あるいは賃上げ後に年収が440万円を上回る人が、事業所内に必ず1人以上いなければいけない決まりとする。これを無視し、幅広いスタッフに薄く広く配る運用は認めない。

年収440万円は役職者を除く全産業の平均賃金。今の介護職員の平均賃金に8万円を足しても概ね等しい水準となる。

賃上げする職員を事業所が柔軟に決められる仕組み

介護福祉士の資格を有することを要件とする一方で、「勤続10年」の考え方は事業所の裁量で定められる仕組みとする。

1つの法人に10年以上勤めている人だけでなく、“業界10年”の介護福祉士なども認められれば同様の恩恵を受けられる仕組みだ。

資格を取ってから10年経っていない、複数の法人を渡ってスキルを磨いてきた、ケアマネや相談員として活躍していた、障害福祉の世界で見識を深めていた − 。

こうしたベテラン介護福祉士も、認められれば高い評価を受けられる。

ただし経験・技能のある介護職員に優先的に原資を分配

厚労省は施策の効果が薄れないよう、新加算の算定で得られる原資を事業所内で配分する際の優先順位を、

1. 経験・技能のある介護職員

2. その他の介護職員

3. その他の職種

とする考え。

3グループの賃上げ幅を2:1:0.5とする内容だ。あくまでも各グループの“平均”を指標とし、個々の賃上げ額をどうするかは事業者が判断できる。このルールの範囲内であれば、有望な若手などを高く評価することも可能だ。

介護業界の人手不足を解消することが目的

来秋の加算の新設は、深刻さを増す介護職員の不足を解消することが目的。ベテランが優遇されるのは、将来の生活を描きやすくしたりキャリアアップの道筋を分かりやすくしたりすることで、新規参入者の増加や離職の防止につなげていくためだ。

日本全体の労働力人口が減少する中、介護人材の確保は難航している。需要が強い介護関係職種(※2)の有効求人倍率は2018年6月で3.72倍と、全職業の平均(1.37倍)を大幅に上回る(パートを含む常用のベース)

しかし今後も労働力不足が予想される

今後、団塊の世代が75歳以上になるという2025年には、介護業界人手不足が加速し、33万7,000人の人材が不足するという推計がなされています。

今年9月の日本介護福祉士養成施設協会の発表では、2018年度に介護福祉士を養成する大学や専門学校への入学者数は6,856人と、過去最低を記録したことがわかりました。入学者数は2006年には約1万9,300人となっていましたが、この12年間でおよそ3分の1近くまで減少したことになります。

日本は外国人労働者の受け入れを進めているが…

現在、外国人労働者が日本の介護分野で働くには、(1)経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補生(2)外国人技能実習生(3)介護福祉士資格を得て介護現場で働く人―のいずれかの在留資格が必要です。

これまで受け入れたのは、2008年に始まったEPAで累計4302人(うち719人が介護福祉士の資格を取得)▽昨年スタートした在留資格「介護」で今年6月末で同177人▽昨年開始の技能実習制度は同10月末で同247人。これら三つを足しても5千人に満たない。

入管法改正で最大6万人受け入れ

「深刻な人材不足」を理由に外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改定で法務省は、制度導入から5年後までに14業種で約34万人を受け入れるとしています。そのうち最も多いのが介護業の6万人です。

新たな在留資格で日本に滞在できるのは5年。基本的に家族の帯同は認められない。技能実習との接続も可能で、そうすれば最長10年にわたり日本で働けることになる。この間に介護福祉士の資格を取った人を対象として、政府は繰り返し更新でき家族の帯同も許される在留資格(在留資格「介護」)を得られるようにする方針。

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