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日本国有鉄道史 景気循環と国鉄 第1話 神武景気と鍋底不況と国鉄

国鉄における、第一次5か年計画についてまとめてみました。あまり資料が手元になくて、古い国鉄の部内誌などを参照しながら自分なりにまとめてみました。第一次5か年計画とはどんなものであったのか、今後更に自分なりに深掘りしていこうと考えております。

更新日: 2018年12月26日

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この記事は私がまとめました

鉄道ジャーナリスト加藤好啓です、今回は第一次か年計画について当時の部内誌などの記事を参考に、掘り下げてお話をさせていただこうと思います。

blackcat_katさん

国鉄と第一次5か年計画

今回は、オリジナル記事として神武景気と鍋底不況と国鉄と言うことで書かせていただきます。
日本史で聞かれたことはあるかと思いますが、神武景気は昭和29(1954)年 12月から 昭和32(1957)年6月まで 31ヵ月間続いた好景気の俗称ですが、国鉄も、好景気を受けて第1次5か年計画がスタートするのは前述した通りですが、その原資となるべく運賃値上げは当初18%で申請しますが、運輸審議会の答申でその値上げ額は15%に圧縮され、さらに国会審議を経て13%に圧縮されたと言われています。
そこに来て、第1次5か年計画の当初に国際収支の悪化を端緒とした、公定歩合の引き上げが5月を始め、金融引き締めを強化したことで景気は後退、不況期(後になべ底不況と呼ばれる)に入りました。

国鉄は、老朽化した設備を更新し、飛行機や自動車に対して有利に立つ必要があるが、実際には資金不足で十分な設備更新が行えないままとなっている。
これは、資金不足によるものであるが、運賃が不当に低く抑えられており、それ故に十分な投資が出来ていなかったものだと訴えています。

国鉄の運賃改定についてと言う記事ですが、運賃値上げと言うけれど、2等客や1等客の対応はどうするのかという不満を述べています。
国鉄の言い分としては、値上げはしたい、しかし無料パスなど実際に運賃を払わない人や1等客だけを優遇するとして苦情を言っているわけですが。当時の1等【3等級制】の場合、運賃が3倍【実際にはそこに2割の通行税が入るので320%】+特急料金も3倍でした。
まぁ、編集の妙で敢えて無料パス利用と言って言い切っている部分もありそうですけどね。

国鉄の運賃値上げは抑制された上、財政投融資も抑制されることに

国鉄の5か年計画は、増大する輸送需要に対して十分ではなく、過去の資産を食い潰す形で運営が行われており、老朽化した資産の取替は急務でしたが、財政赤字との兼ね合いも有り中々実行できませんでした。
そこで、昭和31年度を初年度とする改善計画を策定して、積極的に老朽資産の取替や動力近代化を前に打ち出していくのですが、政府も財政に余裕がないとして、財政投融資の枠を絞り、それ以外の費用については自前で行うことを要請されました。
ただし、運賃値上げは極力認めないという事で、国鉄としては鉄道債券等の発行で賄う必要に迫られることになりました。
鉄道債券というのがくせ者で、3年ないしは5年程度で償還期間が来るため、工事途上で返済期限が来るため返済原資を作るために新たな借金をしなくてはいけなくなるいわゆる自転車操業になってしまう欠点を包含していました。

物価の上昇が更なる追い打ちをかけることに

これにより、鉄道輸送も大幅に後退を余儀なくされ、好景気を元に組んでいた予算ベースで比較すると、旅客収入で10億円、貨物収入では30億円の不足、計40億円の収入不足が見込まれるうえ、利子支払いの増加(約14億円)や、物件費などの増加(120億円)に入り、国鉄としては、初年度から計画にかなり無理が生じる形となりました。

その後、昭和33(1958)年7月からは日本銀行の金利引き下げと国内消費の回復で岩戸景気と呼ばれる景気回復局面に入りました。
この時は、積極的に工場などが建設され、投資が投資を呼びと言われた時代でしたが、国鉄の場合は輸送量の増加以上に人件費の増加、更に支払利子の増加が大きな足かせになったと言われています。
当時は人件費だけで100億円毎年増加し、利子払も34億円の増加したという記録があり?。
人件費の増加はいびつな年齢構成にあることがこの頃から指摘されており、適切な人員配置などの合理化がなかなか進まなかったことも原因と言われています。
どうしても趣味誌ベースで考える部分だけでは見えてこない、問題がいくつか潜んでいるように思えてなりません。

政府は、国鉄のこうした改良工事に対しては、あくまでも国鉄ベースで行うべきで有り政府が介入すべき問題ではないとして、上記のように国鉄自らが資金を調達する道を選択させ、政府からの出資は極力減らすという立場を取っていました。

鍋底不況に関してはこちらもご覧ください。

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