短所

モーター重量の約半分が、台車の軸ばねを介さずに、アクスルメタルまたは転がり軸受を介して輪軸に直接かかるため、ばね下重量が重くなる[2]。これにより線路への衝撃が懸念されるが、影響は微小である。逆に線路からの台車・車体やモーター自体への衝撃が懸念される[2]。このため、高速運転にはデメリットがある[注釈 2]。乗客にとっては乗り心地も悪くなる[1]。
吊り掛け駆動用モーターは、衝撃に耐えるため、頑丈に作らざるを得ない。結果として重量や、ばね下重量も増加してますます衝撃が強まる。
モーター本体と輪軸の間の摺動部分や歯車などが、大トルクによる負荷や、大きな重量による衝撃のために消耗しやすく、又、ギアボックスを密閉できないため、メンテナンス上の配慮を要する[注釈 3]。メンテナンスサイクルもカルダン駆動方式に比して短い。ただしトータルランニングコストに関しては、軌間や軌道の状態によっては必ずしもカルダン方式が優位とはいえない場合もある。
モーター本体と輪軸の間の摺動部分のアクスルメタル磨耗により噛み合わせの精度が低下することから、歯車には遊びが大きく取られており、歯車の歯も強度維持のため大形のものを使用しなければならず、小歯車を小径にして減速比を大きくとることが難しく、モーターの高回転化は困難である[4]。このため低回転・大トルク型のモーターを用いることになり、モーター自体大きくなりやすい[注釈 4]。この機構は、機関車ではあまり問題にはならないが、騒音や振動が大きくなる。また、歯面同士の打音は大きくなりがちで、力行や電気制動といった負荷がかかる際には吊り掛け式特有の激しい騒音を発し、惰行時においても打音の発生がある。

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日本国有鉄道史 新性能電車の幕開け 第1話

昭和30年代は、電車が大きく発展した年代でもありました。昭和27年頃から電車に導入が始まったカルダン駆動車は、私鉄から導入され始め、国鉄では昭和32年のモハ90【後の101系】誕生まで待たねばなりませんでした。

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