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強姦冤罪事件:女性の「うそ」で服役の真相と背景は?

簡略すぎる新聞記事により、女性への非難が集まっているが、男性が家族にHな行為をしなければ何も起きなかった事。また刑事補償を約2800万円受領済みという、詳細を知った上で考えていただきたい。

更新日: 2019年09月30日

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この記事は私がまとめました

【強姦冤罪事件、女性の「うそ」で服役 裁いた国の責任は】という見出しの影響が強すぎて、他人が作り話で冤罪に陥れたという印象が強い。マスコミが誤解を招きSNSで増幅される事は怖いです。法的にはこの男性は無罪だが、背景と刑事賠償法・国家賠償法を知り、より深く考えて下さる方が増える事を祈ってまとめました。

123POさん

■『強姦冤罪事件、女性の「うそ」で服役 裁いた国の責任は』 2019.1.5.の新聞記事で、偽証女性への抗議の嵐が起きた。そして8日の国家賠償請求棄却の記事で嵐はさらに拡大。

まず裁判について【強姦冤罪事件、女性の「うそ」で服役 裁いた国の責任は】という見出しの新聞記事が発端でした。この時点で、もうSNSが非難の渦。そして、1月8日の判決を知らせる新聞記事も、実に淡々としたもので、背景が伝わりにくく、さらに憤慨した方が多かった。
■強姦(ごうかん)罪などで服役中に、被害者の告白で、証言が事実と違う事が解り、再審で無罪となった男性(75)と妻が国と大阪府に計約1億4千万円の国家賠償を求めた訴訟の判決が8日、大阪地裁であった。大島雅弘裁判長は「捜査の方法や裁判所の判断に違法性はなかった」として男性側の請求を棄却した。男性側は控訴する方針。
■新聞記事は『「友人も仕事も失った、戻れない」強姦冤罪の男性の失望』などの男性と弁護士の発言だけを掲載。これは国を訴えているので、判決と訴えた側の談話を載せるのは仕方ないのだが、あまりにもそれだけの簡略な記事なので、Twitterなどでは、偽証した女性に賠償させろとかの非難があふれた。彼女は事情があって偽証をしたけれど、成長してから自ら告白して、男性が無罪になっている。そして偽証・虚偽告訴罪については「時効」なのに。
*また国家賠償についても情報不足のままの憤慨が多い。無罪の場合の拘束日数分の補償(約2800万円)は受領済みなのに、何の補償もないかのような誤解もあるようだ。
■背景をほとんど伝えない、短い記事と目を引く『見出し』で、こんなに誤解と、それに基ずく感情や判断が広がるのは、本当に怖いです。この事件の複雑な背景と、国家賠償についての解説なしに、新聞はその場その場の事実の断片だけ報道している。
■新聞記事は断片的である事を肝に銘じて、何事も角度の違う複数の情報や、法律などの基礎知識も調べる姿勢を持っておかないと、自分の判断が狂う。短い記事によって、報道した側が予測しない効果も生まれてしまうし、またマスコミによる世論操作も可能だという実例になっている。

■時事ブログなどで孫には冤罪だが、義娘を犯していた事実が解ったが、別件だとの否定説が大きかった。「うそ」「友人も仕事も失った、戻れない」は強力。新聞記事は誤解と猛烈な抗議を生んだが、その責任は?

同一事件ですね。LEXDBなどにも収録されています。きちんとした図書館であれば判例時報もありますよ。
第1審 大阪地判平成21年5月15日判時2316号125頁
控訴審 大阪高判平成22年7月21日
上告審 最三小決平成23年4月21日
再 審 大阪地判平成27年10月16日判時2316号119頁

@yabuchi_trb やぶうち 映画刀剣乱舞ありがとう さんの公判記録情報
*「LEX/DBインターネット」は法律情報データーベース>>https://lex.lawlibrary.jp/index.html

■無罪判決の出た2015年の再審判決後のSNSの反響は、一時は冤罪に同情しても、事情が解ると風向きが変わった。「これが本当なら被告のほうが図々しいやん」「爺さん、もう一度、入り直し」など。

■2019年の国家賠償請求棄却の判決文:2019.1.8.(文春オンライン)

「証言は具体的で信用できた。職務上尽くすべき注意義務を怠ったとは認められず、女性らの供述に基づき、男性に有罪と認められる嫌疑があると判断したことは不合理ではない。通常要求される捜査を怠ったとまでは言えない」(国家賠償請求訴訟の判決文より)

一月の下旬になって、文春オンラインに、事件の背景と国家賠償請求棄却の判決文が掲載されたが、それまでに誤解による非難の嵐は拡大していて、焼け石に水に近い状況だった。

■【強姦冤罪事件が起きた背景には、複雑すぎる家庭事情があった。 被害者とされていた少女は、男性が再婚した妻の連れ子の娘】2019.1.22に文春オンラインに出た詳細記事

複雑な背景を、図解や経緯を時系列で追ったり(年表形式)、詳しく解説されていて、新聞記事では解らない家庭事情がを詳しく書いてある。週刊誌記事ではあるが、公判記録から読み取れる事とも矛盾なく、むしろそれを補完している。
(以下にまず訴訟の推移説明を引用、さらに次の項目で背景の要約を入れます)

ことの発端は2008年9月にさかのぼる。“被害少女”の告訴を受けた大阪府警が、男性を強制わいせつ容疑で逮捕(後に大阪地検が強姦罪でも追起訴)。弁護側は「狭い団地の一室で、家族に気付かれることなく強姦することは不可能だ」と主張したが、2009年の一審判決では、「14歳の少女がありもしない強姦被害をでっち上げることは考えにくい」と一蹴された。結局、この事件では大阪高裁で3人、最高裁でも5人の裁判官が関与しながら、「懲役12年」の有罪判決は覆らなかった。

週刊文春オンライン2019.1.22→http://bunshun.jp/articles/-/10454

■文春オンライン記事の図解などによって、解りやすくなった背景:要約(公判記録に、ほぼ一致する内容)

実際に性関係があったのは男性の再婚相手の連れ子A子(男性はA子の義父)。
被害者とされていたのは、A子の娘B子。つまり義理の孫です。
当時A子は母に訴えたものの、慰めどころか「あんたの顔なんか見たくない」と突き放された。
最終的にはA子が高校の教師に相談して、爺さんも隠しきれないと観念し、
親族の前で土下座して謝った。*爺さんは合意の上と言っているが、A姉は強姦と証言。
A子が結婚してB子と兄が出来たが、夫のDVから逃れるために離婚して、
旅館に住込みで就職したため、幼かったB子とB兄を実家に託した。
その後、再婚してA夫との間に子供が生まれ、落ち着いたのでB子B兄を引き取ろうとしたが、爺が20歳まではうちで育てると拒否し、B子は爺の元で育った。
爺がそのまま大人しくしていれば良かったのに、B子にも何度も痴漢行為をしたため、B子が大伯母(A母の姉)に相談し、大伯母がA子に伝えたところA子が激怒した。
痴漢程度だったので爺は否定したが、周囲が信じずにA子の誘導的な問い詰めをB子も肯定し、その内容で代弁的な証言をした(偽証)。B子が成長して弁護士に告白し再審→無罪となった。
2019年1月8日に、国家賠償請求は棄却の判決。

*義娘との性関係の時期が文春は小5〜とし,公判記録では中1〜と記されている部分があるので、多少の差はあるが。

■公判記録:要点(弁護士事務所ブログ)

■法律用語:無罪と刑事補償・国家賠償の知識(国家賠償は、公務員の故意過失について支払われる)

■刑事弁護コラム|中村国際弁護事務所 (冤罪事件全般に関する総合的・明快な解説)

■この件に関するブログ:中立的・冷静な例(検索上位には背景を知らないか無視した、偽証女性,検事,裁判官を批難するブログが非常に多いが、背景を含めて取り上げているブログ)

■誤った判断がればそれに対する処分などのけじめはつけるべき。但しこの件で国賠を認めたら複数の人間が示し合わせて、国賠詐欺が可能になってしまう。

ある時効の件Xと、別の件Yを関連付けて考えるのは本来いけないことです。
但しこのような非常に関連性の高い場合、ましてこの男性は、保護責任のあった義娘と小学5年〜高校1年まで性関係を持ち、
また孫娘についても、彼女が大伯母に相談するほど頻繁に体に触っていたら、母の抱いた疑念や怒りは、不当とは言えないと思う。

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