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「ふるさと納税」で泉佐野市が名指しで批判されている理由!

本来は納税者が自ら納税先を選択し、都市と地方の税収の格差是正を行うのが目的だった「ふるさと納税」。ですが、制度の不備により想定外の方向へ進んでいます。現在、総務省の思いとは正反対の行動をとる泉佐野市は反総務省の象徴のような存在になっています。その理由とは…。

更新日: 2019年02月14日

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本来は納税者が自ら納税先を選択し、都市と地方の税収の格差是正を行うのが目的だった「ふるさと納税」。ですが、制度の不備により想定外の方向へ進んでいます。現在、総務省の思いとは正反対の行動をとる泉佐野市は反総務省の象徴のような存在になっています。その理由とは…。

m.satoakiさん

〇「ふるさと納税」とは

ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります。)。

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄附ができる制度のことです。手続きをすると、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。多くの自治体では地域の名産品などのお礼の品も用意! 寄附金の「使い道」が指定でき、お礼の品もいただける魅力的な仕組みです。

〇 問題点

都市部の市民が本来住んでいるところに払うべき住民税を違う自治体に払うことで、相対的に寄付しなかった市民にかかる住民サービスの負担割合は大きくなります。ここでまず不公平があります。

ふるさと納税制度については、当初から、民主主義の根幹である税の公平性という観点において重大な欠陥があるとの指摘が出ていました。こうした批判が出てくるのは時間の問題だったといってよいでしょう。

多くの自治体が、お礼の品、返礼品を競うようになったことです。
自治体からすれば、よその人から、ふるさと納税をしてもらうためには、何か特典でも出さないと・・・というわけです。

ふるさと納税をする人にとっては、寄付する額は、後で税金からひいてもらってもとはとっているわけですから、この返礼品の分だけ、ほぼそのまま、「もうけ」ということになります。
この返礼品競争が始まったことでふるさと納税は、様変わりをした、ということがいえます。
それまでの、納税先を選択できる、という制度から、2000円を払えば豪華な返礼品がもらえるお得な制度、という位置づけになった。

お金のある人ほど、ふるさと納税で事実上の節税や減税が可能になっている、という現状です。

〇 問題が大きくなった経緯

2008年度の税制改正によって、ふるさと納税の導入が開始されました。それから3年間はそれほどこの制度を使う人の数は伸びず、あまり重要視されることはありませんでした。しかし、東日本大震災が起きると、この制度を使って被災自治体に寄付をする人がたくさん出ました。

その後、自治体によって寄付に対する特典をつけるようになり、普通に税金を支払うのよりも特典がつく方がいいという感覚の人が増えてきました。もともとの導入の理由は、地方と都市の税収格差が無視できなくなり、その解消に一助として実現されたものです。しかし何か違った方向に進みつつあります。

自治体が、自治体の名産品を特典としてつけて、名産品のアピールも兼ねて、ふるさと納税の額を増やそうとし始めたのです。これは自治体によって大きな差があります。 大盤振る舞いともみえるような特典を出すところも出てきました。

⇒ 急増した背景

ふるさと納税が急増した背景には、ふるさと納税のスキームがワンストップ化されたことが要因にあります。

 それまでは、ふるさと納税をした人が税額控除を受けるためにふるさと納税先の自治体から領収書を受け取り、それを確定申告時に税務署に提出。さらに、税務署は申告情報を居住自治体と共有し、居住自治体が翌年度分の住民税を減額するという複雑な流れになっていました。ワンストップ化によって、ふるさと納税における煩雑な手間が大幅に軽減されました。

 こうしたワンストップ化が進められた時期に、ふるさと納税のポータルサイトも登場しています。ポータルサイトでは各自治体がふるさと納税の返礼品として贈っている牛肉や海産物などが一覧できます。

〇 総務省は数度にわたって通達をだしました。

例えば…

当該寄附金が経済的利益の無償の供与であることを踏まえ、寄附の募集に際し、次に掲げるような、返礼品(特産品)の送付が対価の提供との誤解を招きかねないような表示により寄附の募集をする行為を行わないようにすること。
・「返礼品(特産品)の価格」や「返礼品(特産品)の価格の割合の表示

イ 次に掲げるようなふるさと納税の趣旨に反するような返礼品(特産品)を送付する行為を行わないようにすること。
① 換金性の高いプリペイドカード等
② 高額又は寄附額に対し返礼割合の高い返礼品(特産品)

〇 「注意喚起」は一定の効果はありましたが…

総務省が16日(2018年11月)に発表した「ふるさと納税に係る返礼品の送付状況についての調査結果」で、ふるさと納税で返礼割合が実質3割を超える、または地場産品以外の返礼品を11月1日時点で送っている自治体は91だった。

調査結果では、返礼品が実質3割超だったのは25自治体で、前回調査(9月1日時点)の246自治体から10分の1に減少した。地場産品以外を送付しているのは73自治体。前回(190自治体)から半減しており、規制強化を受けて制度を見直す自治体が大幅に増えた。地場産品以外の返礼品はブランド牛肉や自ビールなどだった。

ふるさと納税を管轄している総務省は2018年12月27日付けで、ふるさと納税の趣旨に反している自治体を公表。
今回はなんと11月1日時点の調査に比べ、寄付額の3割以上の返礼品を送付している違反自治体が25団体から52団体に倍増と、いわば総務省のメンツが潰れてしまう結果になってしまった

まず今回、還元率3割以上の返礼品を登録している自治体が増えた原因は、総務省に歯向かう地方自治体が増えたから…というよりも、ふるさと納税サイトによるAmazonギフト券配布キャンペーンが開始された影響によるもの。

・100億円還元キャンペーン | さとふる
・Amazonギフト券 増量キャンペーン | ふるなび

これらのキャンペーンを通して還元率が2~10%ほど強化された結果、総務省が違反とする還元率3割以上を超えてしまった自治体が増えた…というのが、その背景となります。

総務省の通達なんてお構いなしの自治体たちですが、年が明けて2019年に入ってからは通達を受け入れる可能性大。
前述のように2019年6月には規制強化が行われ、総務省の掲げる「還元率3割以下」&「地場産品のみの配布」を守らないと寄附金控除の対象とならなくなってしまうデメリットがあるので、それまでには通達を守る方向に舵を切るものと思われます。
2018年まで:通達を守らなくても罰則なし
2019年6月以降:罰則あり(守らないと除外される)

〇 泉佐野市が注目されるようになったきっかけ

総務省が一部の自治体で行き過ぎがあるとして、法規制の方針を示したふるさと納税の返礼品をめぐり、2017年度に全国トップの寄付金135億円を集めた大阪府泉佐野市が11月27日、東京都内で会見を開いた。

ご承知のとおり総務省からの通知、書簡は計6回出ておりまして、もちろんわれわれも受け取ってございます。年々さまざまな規制と言いますか、締め付けが来ているというような状況でございます。

さる9月11日、野田聖子総務大臣が記者会見でふるさと納税制度の見直しを検討すると発表されました。この会見の中で、一部の地方団体では依然として必要な見直しが行われていない、一部の地方団体による突出した対応などの発言がありました。

また、泉佐野市を名指しで批判されたとの報道もございました。この大臣会見や報道を受け、泉佐野市に多くのマスメディアから取材やお問い合わせをいただきました。

泉佐野市のふるさと納税の返礼品について12日(2019年1月)、石田総務大臣は「他の自治体の気持ちを考え、一日も早く是正して頂きたい」と泉佐野市を名指しで批判。

〇 泉佐野市の主張

これまで数回にわたって返礼品に関して総務省からの通知は届いておりますし、私宛に総務省から何度か直接ご連絡を頂戴しています。

ですが、そのルールや基準は総務省が独断で決めるものではなく、自治体、有識者、国民、世論などを含めて、幅広く議論を行い、大多数が納得できるものをつくるべきではないでしょうか。

ふるさと納税の返礼品として人気のある特産品を持たない自治体への配慮や、各自治体で創意工夫ができるような余地を残すことなどの意義なども含めて、しっかりと論議するべきなのではないでしょうか。

『総務大臣のお言葉は、「自治体は総務省の意向や考えに異など唱えず、黙って従っていればよい。総務省に従う自治体のことを考慮しない自治体は身勝手だ」と仰っているかのようです』

また、「一方的な条件を押し付け、強引に地方を抑えつけようとしている身勝手さを示しているのは総務省だ」と真っ向から反論しました。

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