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大学の危機! 私大の4割が赤字経営

近年の日本では、多くの大学が経営難に陥っています。特に私大では約4割が赤字経営という事です。何故こんなにも多くの大学が危機に瀕しているのか、現状をまとめました。

更新日: 2019年03月08日

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wait-guile2さん

少子化なのに増え続ける大学

今年のはじめ、日本私立学校振興・共済事業団が読売新聞に開示した数値によると、私立大・短大を運営する660法人の17%にあたる112法人が経営難に陥っているそうです。そのうち、2019年度末までに破綻の恐れがある法人は21にのぼるのだとか。
それにもかかわらず、大学は増え続けています。申請書類がきちんとそろっていれば認可せざるを得ないというのが文科省のスタンスだからです。少子化が進んで学生数は減る一方なのに、大学は増え続ける。需給バランスを整えないことには、潰れる大学が出てくるのは当然のことです。そして、在学中の学生、卒業生の履歴に傷をつけることになる。監督官庁、行政の責任は大きいと思いますよ。

30年で大学の数は1.5倍・18歳人口は3分の2に

実は、戦後日本における大学の数は、これまで一貫して増え続けてきている。少子化がここまで進行してきたにもかかわらず、である。
ざっくりと見ておくと、1960年には大学は245校存在し、1990年には507校、そして現在(2017年)は780校である。この間、18歳人口は、若干の増減はあるものの、150万人台からピーク時(団塊の世代)の約250万人の間を行き来し、1990年代前半(団塊ジュニアの時期)にも200万人を超えていた。しかし、その後は一転して減少傾向に転じ、現在は120万人を切る水準にある。

定員割れでも上がる学費

面白いことに、多くの大学で定員割れを起こしているにも関わらず、学費(授業料)は長期的に値上がりが続いています。1989年と2018年を比較すると、私大文系は46.8万円→75.8万円、私大理系は67.8万円→107.1万円と、どちらも1.5倍以上に増加しています。
学費が値上がりしているのに大学進学率が激増している背景には、少子化により各家庭で子供一人当たりに使える教育費が増えている、という裏事情があります。
他にも、奨学金制度が広まった事も影響しています。2004年に設立された、日本学生支援機構の奨学金制度により、経済的な余裕が無い家庭でも、大学進学を諦めないケースが増えたのです。近年では、大学生のおよそ半数が何らかの奨学金制度を利用しているという事です。一方で、奨学金の返済に困り自己破産する若者まで出ているという社会問題も生んでいます。

私大の40%が赤字

日本では、大学進学率は年々増加傾向にあります。1997年の大学進学率はおよそ45%でしたが、2016年には55%程度にまで上昇しています。長引く不況での影響で「高卒では就職が難しい」と学生達が感じているのでしょうか、低学歴の高校からも大学へ進学する生徒が増えているとの事です。少子化の影響で、2017年度は私大の40%以上が定員割れとなっている「大学全入時代」である事も後押ししています。

大学は収入確保のために仕方なく合格率を上げる=学力レベルの低下

以前の大学は、定員に対して受験者数のほうが多く、大学進学を目指す受験者にとっては厳しい時代でした。特に1980年代から1990年代前半では、「受験戦争」と呼ばれる言葉が誕生するほど、大学受験は加熱していました。大学側は、受験者が払う受験料だけでも相当な収入につながっていました。
この背景には、企業における年功序列に代表される、一度就職してしまえば、定年まで勤め上げるため、大学卒と高校卒の格差が大きく影響することや、バブル景気などがいわれています。
しかし、この受験バブルとも言われる時期は長くは続かず、そのご、国内景気の低迷や少子化と相まって、受験者数は年々減少していくこととなります。
そうなれば、大学は経営を維持していくためにも、定員に対する合格率を上げざるをえません。その結果、1990年に大学の不合格率が44.5%であったのに対し、2015年では6.7%まで減っています。

ブランド力の無い大学の淘汰が進んでいる

大学がつぶれるにはそれなりの理由がある。大学「倒産」に至る理由には、(1)立地条件の悪さ、(2)受験生に対する市場調査の甘さ、(3)経営力の欠如、(4)「教育」と「研究」の質の低さなどがあげられる。
14校の大学はなぜ、「倒産」したのか。各大学の特徴を改めてよく見ると、いくつかの共通点が浮かび上がってくる。
まず気づくのは、設立からあまり年数が経っていない大学が多いということである。14大学のうち9大学が2000年以降の設立である。1999年設立の大学も2校ある。歴史が浅いということは、ブランドイメージが低いという言い方もできるだろう。
また、ブランドイメージに関連する特徴として、大学名を変更している大学も目に付く。企業名やさまざまなサービス名にも言えることだが、名称を変更することは新鮮なイメージを与える反面、それまで蓄積してきたイメージをリセットするリスクを伴う。社会が納得するような明確な理由がない名称変更は、大学そのものの信頼度を下げることにも繋がりかねない。

2018年問題で大学が更なる窮地に

大学関係者の間では「2018年問題」が大きな話題となっています。主な大学入学年齢である18歳の人口が、今年から再び減り始めるからです。それが大学経営のみならず、教育や入試にも大きな影響を及ぼすとしたら、志願者にとっても無視できません。
18歳人口の推移を見ると、第2次ベビーブームに生まれた保護者世代の学生時代に当たる1992年には約205万人のピークを迎えました。その後、18歳人口は急減し、2009年には約121万人と、ピーク時の6割にまで縮小しました。
その後、18歳人口は120万人前後で安定してきました。本来なら、第3次ベビーブーム世代に当たるはずだった世代です。それが2018年には約118万人になり、その後も減少傾向が続いて、ついに2032年には100万人を割って約98万人になると予測されています。今後、大学経営に深刻な影響を及ぼすことは必至です。

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