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この記事は私がまとめました

日産ゴーン事件について

じゃばらさん

目次

1、事件概要
2、不正は本当にあったのか?
 (1)金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)
 (2)会社法違反(特別背任)
 (a)ハリド・ジュハリ氏
 (b)CEOリザーブ(予備費)
 (c)日産三菱BV
 (d)邸宅について
3、ゴーン氏意見陳述
4、弁護士の見解 「本来は日産内部で処理すべき問題」
5、日産ゴーン事件は陰謀なのか
6、ルノーと日産
7、日本は果たして先進国なのか?──日本の司法制度に対する批判
8、拘置所の生活は…
9、人質司法は基本的人権を侵害するもの
10、日本では推定無罪が尊重されていない──マスコミの偏向報道

1、事件概要

2018年11月19日、東京地検特捜部が日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の会長(当時)であるカルロス・ゴーン氏と代表取締役(当時)のグレッグ・ケリー氏を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕(期間は2010年度-2014年度)。

同年12月10日、同法違反の罪で起訴。
さらに別の期間(15年度-17年度)についても有価証券報告書の虚偽記載の疑いで再逮捕。

同年12月20日、東京地裁が再逮捕容疑について勾留の延長を認めない決定を出す。
同年12月21日、東京地検特捜部がゴーン氏を会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕。

同年12月25日、東京地裁がケリー氏の保釈を認める決定を出す。即日保釈。

2019年1月11日、東京地検特捜部がゴーン氏を特別背任の罪で追起訴。
また有価証券報告書の虚偽記載について法人としての日産を起訴。

同年3月5日、東京地裁がゴーン氏の保釈を認める決定を出す。
同年3月6日、東京拘置所からゴーン氏が保釈される。


ゴーン氏とケリー氏の両者とも容疑を否認している。

2、不正は本当にあったのか?

(1)金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)

当初報道では、逮捕容疑は「2010年度-2014年度までの5年間の報酬について、有価証券報告書に約50億円少なく記載・提出した」とされていた(後日、別の期間(15年度-17年度)について約40億円少なく記載・提出したとして再逮捕)。

しかしその後の報道で、有価証券報告書の虚偽記載とされたのは、ゴーン前会長が日産から「実際に受領した報酬」ではなく、退任後に別の名目で支払うことを「約束した金額」だったと判明した。

ゴーン氏の経営者としての報酬は日本の一般庶民の感覚で見れば高額であるが、グローバル・スタンダード(世界標準)として見ると高くはなく、ゴーン氏はそこに不満があったという。
そこでケリー氏はCEO退任後のゴーン氏を日産に引き留めるため、「退職慰労金」や「日産へのコンサルタント料」、「競合他社の業務に従事しない契約金」等の名目で退任後の報酬を支払うことを考えていた。

退任後の報酬についてゴーン氏は「合法的に」やるようにケリー氏に指示していた。
またケリー氏は事前に「社内で相談のうえ、外部の法律事務所や金融庁にも何度も確認」をした。法律事務所や金融庁からは「問題がない」「記載する必要がない」という回答を文書で得ていた。

日産社内には退任後の報酬に関する文書が存在したが、これは「契約書」ではなく「覚書」である。
「覚書」にゴーン氏のサインがあっても日産が「必ず支払わなければならない」というような法的拘束力はない。
またこれらの文書には、逮捕後の記者会見で「寝耳に水だった」と言ったはずの西川社長のサインもあった。

今回の事件の逮捕容疑の「虚偽記載」の内容が、本当に、「退任後の支払の約束」の程度の話で、現実の支払ではなかったのだとすると、有価証券報告書に記載義務があるのかどうか、犯罪と言えるかどうかも、極めて微妙なことになる。

有価証券報告書の虚偽記載罪というのは、有価証券報告書の重要な事項に虚偽の記載をした場合に成立する。退任後に「支払の約束」をした役員報酬は、記載義務があるかどうかすら疑問なのであり、少なくとも「重要事項」に当たらないことは明らかだ。

郷原信郎:郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士
2018年11月25日付。

共同通信によると、「退任後に受け取ることにした役員報酬を報告書に記載しなかったことについて、側近の前代表取締役グレゴリー・ケリー容疑者(62)が『金融庁に相談し、記載する必要はないとの回答を得た』と周囲に説明していることが29日、関係者への取材で分かった。」ということです。

園田寿:甲南大学法科大学院教授、弁護士
2018年11月30日付記事。

◆有価証券報告書の虚偽記載についての検察の見解

(1)有価証券報告書の取締役報酬については将来にわたるものであっても確定した取締役報酬については記載義務があること
(2)ゴーンは一定の範囲内で取締役報酬の決定権限を有していたこと

〔青沼隆郎の法律講座 第20回:検察の冒険「日産ゴーン事件」(9) より。〕

取締役報酬総額は株主総会決議事項である。
(中略)第一四半期の取締役報酬総額のなかから第二四半期以降の事業期間における取締役報酬を決定することは基本の株主総会の決議に違反する。
(中略)まして株主総会の決議の時間的有効範囲は1年間であるから、それを超えて次年度以降の不特定期間(ゴーンの退任時は不特定時期である)に支給する取締役報酬は明らかに違法無効である。

取締役報酬は各四半期ごとに株主総会で決めるものであり、1年間の有効範囲を超える将来の報酬を支払うことはそもそもできない。

確定とは単に金額のみならず、その支給時期も確定されなければならないことは当然である。

さらに、ゴーンが代表取締役として一定の範囲で取締役報酬の決定権限を委任されていたとしても、自分自身に対する取締役報酬の決定権限はない。

2018年12月10日付記事。
青沼隆郎:東京大学法学士

(2)会社法違反(特別背任)

◆検察の見解:
(1)10年ほど前、ゴーン氏が私的な投資で生じた約18億5000万円の損失を負担する義務を日産側に負わせたという疑い(損失付け替え)。
 ゴーン氏が損失を自身の資産会社に戻す時、知人のサウジアラビア人実業家の会社が、担保不足を補うための信用保証に協力して30億円を負担した。
(2)その謝礼として2009年から2012年にかけて日産の子会社から実業家に1470万ドル(日本円でおよそ16億円)が送金された。16億円は上記の投資の巨額損失穴埋めに利用された。

検察によると、実際に日産に損害が出ていなくとも、損害を与えていた可能性があれば特別背任罪が成立するとのこと(NHKのニュースで良く流されていた主張)。

◆その後分かった詳細:
2008年10月頃、リーマンショックの影響により、ゴーン氏の資産管理会社が銀行と契約して行った「クーポンスワップ契約」(デリバティブ取引)で、18億5000万円の含み損(評価損)を出した。
クーポンスワップ契約とは「毎月一定額の円を一定額のドルに交換する」契約。
ゴーン氏がクーポンスワップ契約を行っていた理由は、日産からの給料をドルで受け取るためであり、投機のためではなかった。

また「評価損」とは実際に発生している損失ではなく、観念上のもの。
もしゴーン氏が契約を途中解約すると、銀行に損失(実現損)が出る。

新生銀行から追加の担保を求められたゴーン氏は、契約の権利を資産管理会社から日産に移転した(一時的に日産の契約にすることで中途解約はしないという保障とし銀行を安心させるため)。

日産からすると、日本円の報酬をドルに換えて受け取りたいゴーン氏が中途解約することは考えられず、「何のリスクもない取引」「どう転んでも損が出ない取引」だ。
そのため当時の日産の取締役会において利益相反取引に関する承認決議はされずに契約の変更がされたと考えられる。

しかし証券取引等監視委員会は、検査の際にその付け替えが違法ではないかと新生銀行に指摘。
その指摘を受け、契約の権利はゴーン氏の資産会社に戻された。
権利を戻す際には日産のビジネスパートナーであるハリド・ジュハリ氏が信用保証に協力し30億円を負担した。

2009年から2012年にかけて日産子会社からジュハリ氏に1470万ドル(約16億円)が送金された点について、ゴーン氏は「投資に関する王族へのロビー活動や、現地の有力販売店との長期にわたるトラブル解決などで全般的に日産のために尽力してくれたことへの報酬だった」と供述している。
また2019年1月にジュハリ氏側から「16億円は正当な支払いだった」との声明が出された。

弁護人の弘中惇一郎弁護士は、「3つの事件に関していずれも10年以上前の話で日産関係者も知っていたこと」「常識で考えて、刑事犯罪になるような事件ではない」と指摘した。

山口先生によると、日産は11日の追起訴を受けて出した「適時開示のリリース」を40分後に訂正しているとのこと。(中略)
それで、山口先生のブログに金融関係者から、削除された部分にゴーン前会長の意見陳述を裏付ける内容が見られた、とコメントがあったというのです。

高橋 大樹:アゴラ研究所編集アシスタント 飼料原料製造会社の元風評被害対策室室長
2019年01月16日付記事。

さて「訂正前」によれば、特別背任の対象となるデリバティブ取引は「クーポンスワップ契約」とありますが、これでは「日産に損失は発生しなかった」ばかりでなく、「どう転んでも日産に損失が発生する余地はなかった」ということになります。

「クーポンスワップ契約」とは「毎月一定額の円を一定額のドルに固定レートで交換することを一定期間(12か月とか24ヶ月とか)行う契約」で、ゴーン氏が言っていた通り「給料をドルで受け取るため」であって、投機のためではなかったことを裏付ける内容となっています。

そしてクーポンスワップ契約の「評価損」とは、「円高になった場合、もっと少ない円で同額のドルを買うことができたのに、それができず儲けそこねた金額」のことを言い、「儲けそこねた金額」ですので、単なる「評価上」「観念上」の金額です。

・銀行が「評価損」を問題にしたのは、「中途解約」されると銀行に損失が発生するため、だから中途解約は禁止になっていて解約した場合「違約金」

日産から見れば、「中途解約がなければ、違約金=評価損の支払い義務はない」「ゴーン氏が中途解約しないことを知っている」ので、「何のリスクもない取引」「どう転んでも損が出ない取引」となります。検察が「中途解約すれば日産に損が出る可能性があった」と主張したところで、ゴーン氏が「給料をドルに変える取引なので、中途解約するつもりは一切なかった」と証言すれば、無罪判決になるとしか思えません。

山口利昭:山口利昭法律事務所代表弁護士
2019年1月12日付記事。

「検察幹部は『本人が負担すべきものを一時的にでも日産に負担させたことは問題だ』と指摘している。」ということは、検察は、付け替えによって日産は損害を被っていないと認識しているのだろうか。 #ゴーン nikkei.com/article/DGXMZO…

@uchinoharuhito ということは特別背任罪とは言えない。そもそもの発端は報酬をドルで受け取りたいと言ったのに本体がやらなかったのだし、仕組みを作ってリーマンショックが起き、仕組みそのもの、つまりアセットも含めてて渡したかったら監督官庁に問題ありと新生銀行が指摘したので元に戻したわけで日産に実害無し

@junko1958 ゴーンさんはドルで受け取りたいと言っていたのですか。たぶん言っているはずだとは思っていましたが、日産はどうして応じなかったのでしょうかね。海外から経営者を招く企業は言われなくても進んでやるべきことだと思いますが。 #ゴーン

@uchinoharuhito 他の外国人役員もドルで受け取りたいというのがあったようです。事件の最初にこの話が出てきましたが、その後プッツリ。報酬をドル払いにするコストぐらい日産が負担すればいいし、一括でないなら為替予約ぐらい日産がやればよかったと思います。

@uchinoharuhito 読売つまり検察リークによると通貨スワップ始めたのは2006年からで固定でドルの受け取りを6カ月毎あるいは3カ月毎にならして受け取りたかったのでしょう。こういうのは投資と言いませんよ。ヘッジです。最初から日産がやればできたはず。headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190102-…

@uchinoharuhito 2006年は円安傾向だったから円で受け取るたびにドルの報酬が目減りしてたのでヘッジですスワップはじめたのでしょうね。スペキュレーションではなくヘッジ pic.twitter.com/6eYOR1E12Q

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