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この記事は私がまとめました

生命科学系の分野に使用される実験機器の原理や方法をまとめています。

分析超遠心とは

分析超遠心とは、高速回転により試料に遠心力をかけ、溶液中に存在する成分分析を行う手法である。遠心により沈降する速度は、分子量や分子形状に依存しするため、光学系で追跡することで、試料内部に存在する成分の分子量の決定や、ある分子量成分の定量が可能である。
ゲルろ過クロマトグラフィーによって得られる情報は似ているが、分析超遠心の場合、緩衝液やサンプル量は少ない。

分析超遠心の歴史

リボソームの大きさ(60Sや40S)を示す単位として最もよく目にするスベドベリの由来となったスウェーデンのスベドベリ博士によって、超遠心の研究が飛躍的に進んだ。
現在では様々な光学系が使用可能であり、目的サンプルによって適切な光学系を使用可能である。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/テオドール・スヴェドベリ

スベドベリ博士に関する記事

光学系

紫外光吸収

タンパク質の分子量決定において、紫外光吸収の場合、最も用いられる検出波長は、タンパク質を構成するアミノ酸トリプトファンの側鎖に由来する280nmである。ATPやDTTのような、280nm付近に吸収を持つ還元剤や基質の存在により紫外光吸収が使用不可になる時もある。サンプルによって可視光に吸収が存在する場合、可視光の波長を用いることもある。
高速回転するローターにタイミングよく光を当て、吸収を測定することで、試料内の成分が沈降する様子を追跡する。

蛍光測定

原理は、紫外光の場合と同じであり、蛍光の場合は励起光を入射し蛍光を測定することで追跡する。これにより、基質や還元剤等の影響を回避することができるが、蛍光物質を目的とするサンプルにラベルする必要がある。

レイリー干渉

レイリー干渉計を用いた測定は、紫外光吸収とは異なり、レイザー光を入射しスリットを通すことで見られる干渉縞から見られる屈折率を用いて追跡する方法である。
実際は、屈折率を直接測定してる訳ではなく、干渉縞をCCDカメラで撮影している。
原理は難解であるが、屈折率により追跡するため、基質や還元剤により受ける影響が少ない。また、適用可能な試料濃度が広い。(紫外光吸収の場合、吸光度Abs>1の時は好ましくない)

測定方法

沈降速度法

沈降速度法は、30000rpmから50000rpmの回転速度を用いて、試料内に存在するタンパク質などが沈降する様子を経時的に測定する方法である。
ピーターシャック博士によって開発されたプログラムSedfitによって、解析が容易になった。
沈降速度法では、分子量や分子形状、試料内に存在するある成分の成分割合まで知ることができる。解析精度の向上から近年では、分子間相互作用も得ることができる。

沈降平衡法

10000rpm程度の緩やかな回転速度を用いて行う手法である。沈降速度法とは異なり、緩やかな回転速度であるため、試料中のタンパク質成分はセルの底に沈まず、長時間遠心すると沈降と拡散の平衡に達する。平衡状態では、溶液中に濃度勾配が生まれるため、これにより観測される濃度勾配の曲線から分子量を得ることが出来る。
沈降速度法より精度の高い分子量を得ることができるが、多分散系における沈降平衡法で得られた分子量はあまり意味を持たない。
沈降平衡法は、正確な分子量測定だけでなく、分子間相互作用を測定に絶大な効果を発揮し、解析プログラムSedphatを用いることで、容易に解離・会合定数を求めることができる。

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