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不満だらけの人事評価が公務員の世界で必要な理由が意外すぎた!

人が人を正確に評価することができないのにも関わらず、近年公務員の世界でも人事評価の導入が進められてきています。年功序列が売りであったはずなのになぜ人事評価を取り入れなければならなくなったかをまとめました。

更新日: 2019年06月04日

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人が人を正確に評価することができないのにも関わらず、近年公務員の世界でも人事評価の導入が進められてきています。年功序列が売りであったはずなのになぜ人事評価を取り入れなければならなくなったかをまとめました。

sasaoka15さん

人事評価が無駄とされる理由とは

1. 明確な効果なしに、社員の貴重な労働時間を浪費する。

上司と部下が両方、評価書の記入、承認、ミーティング、事務的手続きなどに毎年何時間も費やしている。

2. 目的が不明確。

従業員は自分の評価を通じてパフォーマンスを自己認識できると言う人もいるが、果たしてそうだろうか? あるいは昇給の根拠になると言う人もいるが、そのために人事評価は必要ない。

3. 不公平なため。

企業は5~10段階評価など、厳格な評価システムを作るが、人事評価の最大の問題はマネジャーによる評価基準の大きなばらつきであり、こうしたシステムでは解決できない。また、年初よりも最近の出来事や成果が重視されがちで、上司の先入観も影響する。

4. 侮辱的なため。

グラフィックデザインやマーケティング戦略、ソフトウエア開発の担当者を雇った場合、プロジェクトや上司である自分との関係性については議論できるし、従業員の勤務態度に関する不満は伝えても良い。しかし、社員の仕事のやり方や生き方に口を出すべきではない。

5. 全ての事業プロセスには、明確な目的と目標とする成果が必要だ。この2つがなければ、忙しい日々の仕事にそのプロセスを組み込む意味がない。人事評価はこのどちらも備えていない。会社には「来年の人事評価で達成したいことは、これです」と言える人もいないだろう。指示する立場の人を従業員に再認識させる、昔からの慣習を続けるということ以外、人事評価を通して達成できることはない。

民間で評判の悪い人事評価を公務員が率先して行う理由は…

宝塚市住民訴訟の影響

この住民訴訟はどのような内容なのか。

宝塚市勤勉手当等返還請求訴訟

宝塚市では、平成21年に、「勤務評定を行っていないにもかかわらず、職員に勤勉手当を支給し普通昇給させたことは違法である」として住民訴訟が起こされました。

「支給した手当の返還」という請求内容の現実性の課題もあって、地方裁判所、高等裁判所ともに請求棄却となったのですが、神戸地方裁判所においては、次のような指摘がなされました。

地方公務員法における「任命権者が勤務成績の評定を行い、その結果に応じた措置を講じなければならない」という趣旨に反するものというほかない

その翌年から、宝塚市では、全職員に対して人事評価制度の導入と、昇給、あるいは勤勉手当への反映を実施することとなりました。この事件を受けて、国でも、人事評価制度の議論をする際には、「今後、人事評価制度を導入、運用しないことによる訴訟リスクがないとは言えない」と指摘をしています。

国の判断は絶対になる理由は

国が、訴訟のリスクがあるとしていても、他の地方公共団体になぜ影響があるのか。

国とは別な判断をすることができない理由が地方公務員法にあります。

恐ろしい地方公務員法第24条

職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

ここでポイントとなるので「国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない」という文言。

公務員は労働3権がないため、国に準じて全国一律の制度に基本的になるように地方公務員法で定められているため、嫌でもお国のおっしゃる通り人事評価を行わなければならない。

現場レベルの統制はどのように行われるのか

毎年総務省が主体となり、各県を通し、市町村の労働条件をヒアリングさせ最終的には取りまとめ公表を行っている。

その場で、県の担当者が市町村の担当者に国の制度と差異があるのかないのかを問いただす。

あれば理由を聞き、理由が何であれ国と違うので是正するように求める、といったことが毎年行われている。

このような努力(?)の末に全国でさほど差異のない待遇で公務員の世界は回っているようである。

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