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zozo「時給1300円」から読み解く「同一労働同一賃金」の展望

立場が違うだけで賃金があまりに違うのは納得できるものではありません。だからと言って、現実には「同一労働同一賃金」と単純に言いきれない難しさがあります。

更新日: 2019年05月17日

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立場が違うだけで賃金があまりに違うのは納得できるものではありません。だからと言って、現実には「同一労働同一賃金」と単純に言いきれない難しさがあります。

m.satoakiさん

zozoのバイト募集が注目されました

国内最大級の衣料品通販サイトを運営する「ZOZO」が、アルバイト従業員の獲得強化に乗り出します。新たに2000人を採用するとともに、時給を最大3割引き上げるなど待遇の改善を図るとしています。
関係者によりますと、ZOZOは、千葉県と茨城県にある物流センターでアルバイト従業員を増やすため新たに2000人を採用します。

合わせて待遇も改善し、週4日以上のアルバイトの場合、時給を現在の1000円から3割引き上げて1300円にします。

また、アルバイト従業員にも成果に応じて、ひと月当たり最大1万円のボーナスを6月と12月にまとめて支給するということです。

応募が殺到したため15日正午で募集を打ち切ると、前澤友作社長が14日、Twitterで表明した。2000人募集するとしていたが、14日夕方までに2000人を超える応募があったという。

様々な反響

zozoだけではなく、これから(すでに)大企業は時給をあげるでしょう。前澤氏の影響力は無視できず若者からすれば、最低賃金プラス百円くらいは安く見えてしまう。じわじわ賃上げ競争が始まる気がします。

最低賃金が上がらない一番の原因って低い賃金でも働く人が一定数いるからだと思う
ZOZOみたいにアルバイトの賃金ガバッと上げてくる企業が今後増えれば、人材が流出していく側の中小企業は困るだろうけど、そうなれば自ずと待遇もよくせざるを得ない

勤務地は千葉と茨城であったが大阪や九州など他の地域でも是非といった声も寄せられていた。

それに対し、前澤社長は
働きたいけど遠いからこっちにも倉庫作って、って言ってくるような人は、仮にそっちに倉庫作っても採用されないと思うよ
とツイートを行った。

これに対しては、
「感じ悪いですね」
「あっ⋯⋯そう 嫌な言い方」
「そういういい方はないとおもう」
「逆に言えば遠くからわざわざ働きに行くほど倉庫に魅力がないってことですね」
「いやいや、仕事を選ぶときに近さは重要な条件のひとつですよ。 多少時給良くても、交通費かさむと実際の実入りが悪くなっちゃいますから」
といった反発の声も少なからず寄せられていた

日本の労働者の状況

今や企業にとって欠かせない存在となったパート、契約社員、派遣社員などの非正規雇用社員。飲食業や宿泊業、小売業などでは現場の大半を非正規雇用社員でまわしている会社も多く見られます。

その数は年々増えており、昭和59年には604万人だったものが、平成11年には1,225万人を突破、平成27年には1,980万人が非正規雇用社員として働いています。

1992年には約10%程度だった男性の非正規が2012年には約22%まで上昇しており、雇用環境が大きく変化している

総務省の労働力調査によれば、2017年の正規の職員・従業員は3423万人と56万人の増加、非正規の職員・従業員は2036 万人と13万人の増加となった。被雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は 37.3%と 前年比0.2 ポイント低下したものの、依然として高水準にある。

定年退職後も契約社員や嘱託社員として働き続ける高齢者が増えている。これが、非正規率の高止まり要因になっていると考えられる。

非正規社員が増えた背景

⇒ 時代背景

1990年代初めのバブル経済崩壊がきっかけとなり、正社員をリストラして、低賃金のパートや派遣社員に置き換えたから、と

好きな時間だけ働くことを希望する人が増えたこともある。

⇒ 企業側の視点

・ 人件費の削減のため( =正社員に比べて賃金は安くてすみ、社会保障費も軽減できる )

   ・ 景気に応じて雇用量を簡単に調整することができるから
      ( 仕事の多い時・少ない時に、効率よく対応できる。 正社員は一度雇うとなかなかやめさせにくい。 ) 

   ・ 能力のある人を確保するため

⇒ 労働者側の視点

・ 好きな時間だけ働くことを希望しているから 
       ( ⇒ 主婦や学生が選択する理由 / = 育児・家事・介護・勉強と両立できるから )

   ・ 会社に拘束される不自由さを避けられる。 働きたい仕事が選べる、勤務時間などの労働

   ・ 家計の補助や学費を得たいから ( ⇒ 主婦や学生が選択する理由 )

  また、見逃せないのは…、
   ・ 就職先が見つからない若者が正社員として働けず、しかたなく ―― 非正社員になっている場合も多い。

      ★ 非正規労働者の19.2%は正社員を望んでいるが、職が見つかっていない。 25~34歳に限れば30.3%となっている。( 2013年 )

 かつて、非正社員は、主に主婦のパートやアルバイトで、低賃金もあまり問題にならなかった。 しかし、バブル崩壊後、企業が採用を控えたことで、就職先が
見つからない若者が非正社員として働くケースが多くなった。

非正規社員の種類

非正規社員は6つの雇用形態があります。
1.パート/アルバイト
正社員よりも短時間に働くのが特徴で、給与が正社員とは異なり、時給であることが多い。

2.派遣社員
派遣元会社と雇用契約を行い、会社に派遣された先の指示に従って働く形態。

3.契約社員
正社員と異なり、予め雇用期間が定められます。よって更新などをしない限り、期間が終われば、労働契約が自動的に終了。

4.臨時社員
雇用期間・労働時間・給与などの条件を企業と個別に契約して、比較的短い期間で就業する社員。パートタイマー・契約社員・嘱託などの呼び方もあるが、厳密な区別はない。

5.嘱託社員

待遇や条件は各企業によって様々。
6.その他
働き方は様々であり、上記の5つに属さないタイプの働き方も近年では増えています。

正規社員と非正規社員の収入格差

民間給与実態統計調査で発表された、2014年の正規・非正規の収入状況です。

平均年収は415万円(正規:477.7万円 非正規:169.7万円)でした。
正規と非正規の年収差は大きく、約300万円の開きがあります。

生涯年収・生涯賃金 (男性)
正規社員:1億8264万3400円  非正規社員:1億422万9800円

生涯年収を見ても倍近い差があり、年単位に換算しても相当な差があります。
非正規では生涯年収で1億円を超えることすらギリギリの状態で、正規と非正規の格差がはっきりと確認できます。

出典正規・非正規 年収・生涯賃金格差を統計データで解説|年収ガイド

⇒ 金銭以外の格差

正社員であれば、金銭的なものだけではなく目に見えない形の報酬・サービスを受けることができます。
◆社会保険費用の会社負担分(社会保険は会社と労働者の折半になる。)

◆各種手当ての支給(住宅手当、通勤手当など。非正規の現場では通勤手当がでない所も多い。)

◆健康診断や各種提携施設・団体などでの優遇サービスなど。(スポーツジムやスクールでの研修など)

目には見えにくいこれらの利益ですが、40年近く勤務し続けた場合、これらの費用を合計すれば数千万円に及ぶと言われています。

これらの他に社会的信用などもそのひとつに挙げられる

同一労働同一賃金の展望

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