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本郷高校が高校募集を完全停止へ「高入生の肩身は狭くなるばかり」

東京都内の男子進学校である本郷高校が高校募集を停止することを発表しました。私立中高一貫校の高校から入学する高入生の問題がクローズアップされる中、本郷高校の高校募集撤退に様々な声があがりました。

更新日: 2019年05月20日

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kurumisawaさん

■本郷高校が高校入試を打ち切り!高入生を切り中高一貫教育に特化

東京都内の私立中高一貫校の男子校である本郷高校が、2022年度より高校募集を打ち切り、中高一貫生向けの教育に特化することを発表しました。

突然の発表に、中学受験や高校受験関係者からは驚きの声があがっています。

いったいなぜ、本郷高校は高校募集を打ち切るのでしょうか。

■[高校募集停止の背景①] 中高一貫生と高入生の学力格差が深刻化

本郷高校の高校募集停止の背景の一つとして挙げられるのが、高校入学者の極端すぎる大学合格実績の悪さです。

本郷高校は、東京大や早慶大といった難関大学に多くの合格者を出す進学校ですが、そのほとんどが中高一貫生の稼ぎで、高入生の実績が悪すぎて「中高一貫生と高入生は別の学校」と言われるほどでした。

高入生の東大・京大はもちろん、東工大や一橋大の合格すらゼロ。それどころか、国公立大の現役合格数がたった6名といった悲惨さでした。

■[高校募集停止の背景②] 都立3番手校にも高入生の教育力で完敗

高入生は半数以上が浪人し、国公立大の現役合格が6名といった状況で、同じ偏差値帯の競合高である小山台、駒場、小松川といった都立3番手校には、難関国立大、国公立大、早慶上智、MARCHのすべての指標の合格率で遠く及ばないのが現実でした。(写真:小松川高校)

その背景には、本郷高校をはじめとする東京都内の私立高校は、ほぼ全校が6年間在籍することを前提とした中高一貫型のカリキュラムを採用しており、高校入学から3年間で伸ばすノウハウを持っていなかったことが原因です。

小山台、駒場、小松川といった都立進学校は、全校で難関大へ進学した生徒のデータを分析し共有し、3年間で伸ばすための授業や講習補習体制を作っているので、高校入学からでも、多くの生徒が志望大学に合格します。本郷高校は中高一貫校であるため、高校入学の生徒を伸ばすノウハウを、都立のように持っていませんでした。したがって、3年間で大きく伸び悩む結果となりました。

■[高校募集停止の背景③] 「高校募集停止」の保護者の要望

本郷高校のような都内の私立高校は、中学受験を経由した中高一貫親が大半です。そのため、学力が低いだけでなく、先取り教育の邪魔になってしまう高校募集を打ち切ることを望む声は掲示板上などで多くありました。

実際、twitterの「本郷学園サポーター」という保護者運営のアカウントは、今回の高校募集停止を「朗報」として伝えました。

■[高校募集停止の背景④] 進む「都内の私立高校の途中入学離れ」

昨今の偏差値60以上の学力上位層が高校を選ぶ最大の目安は「中高一貫校であるか、全員一斉スタートの高校単独校であるか」だそうです。

今や多くの高校受験生が「全員が一斉に高校から始まる学校が良い」「人生で一回きりの高校生活を、編入扱いの学校で過ごしたくない」と考えます。

(写真:高校単独校として人気のある小山台高校)

本郷高校をはじめ都内の私立高校は、ほぼ全校が中高一貫生が多数派を占めるため、学校行事は内進生が主導して、部活動は高入生よりも内進生の中学生のほうが先輩になり、生徒会活動は内進生ばかりが専有するという事態が当たり前です。

こうした状況が、今の時代はSNSなどで広まり、「高校受験では、中高一貫生のいない学校を選んだほうが良い」「自分たちが主役になれる学校を選択して」といった情報が、リアルな生の声として拡散されるようになりました。

(写真:高校単独校として行事の盛んさで有名な北園高校)

■[高校募集停止の背景④] 中高一貫校はそれだけで倍率が低迷

「開成は中学から入ってこその学校だ」という評判がますます強まっています。あの開成高校ですら、今や中学受験がメインとなり、高校募集は補完的な存在。中高一貫校への敬遠の高まりを受け、2019年度は近年最低倍率となりました。ここ数年は合格者の半数以上が辞退していて、日比谷や浦和へ進学しています。都内の難関私立高校は、第一志望者の減少に歯止めがかかりません。

本郷高校のような都内の難関私立高校の高校入試の意義が薄まっているなかで、例外として人気を集めているのが早慶附属といった有名私立大学の附属高校です。

こちらは、中高一貫制の学校であっても、有名私立大学にそのまま進学できることや、そもそも大学受験を前提としないため、中高一貫生と高入生の学習の差を意識する必要がなく、人気は定着しています。

■[募集停止の影響①] 本郷中は人気拡大か 高入生切りで評価上昇

高校募集の打ち切りで、中学入試関係者は喜びの声をあげています。本郷中学校の入試の人気上昇は確実で、高校受験からの途中入学を気にすることなく先取り教育ができるため、学習効率も良くなり、進学実績の改善にもつながるという期待感があります。

■[募集停止の影響②] 高校入試は混乱 2020年度から影響大

高校募集の影響は大きそうです。本郷高校は2020年度までは高校入試を実施しますが、そもそも、高校募集が打ち切りになる学校は、高入生の自尊心が大きく低下し、「自分たちは必要のない存在」と感じがち。

こうした学校に自分から入学したいという生徒はいるのでしょうか。滑り止めとしてでも嫌だという高校受験生が大半でしょう。したがって、2020年度の高校入試は、学力上位層は大敬遠をして、ボロボロになる恐れがあります。

都内の進学校志望の生徒はほとんどが上位都立高校志望です。そのため、本郷高校の代わりとなる滑り止め校は、城北高校(板橋区)ぐらいでしょうか。しかし、この学校も中高一貫生と高入生の極端な格差があり敬遠されているため、積極的に志望はしないでしょう。巣鴨高校もありますが、高校入学は転校生のような少なさで毎年大幅な定員割れです。

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