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新型出生前診断(NIPT)を胎児の疾患発見のためだけの検査としないために~遺伝子専門医とは?

母体から採血して血液を検査することで胎児の染色体異常を調べる検査のことを新型出生前診断といいます.妊娠10週目から診断が可能です。検査を受けること、出た結果を受けてその後をどう考えるか…遺伝子専門医のもとでしっかりとカウンセリングを受けることが大切だと考えます

更新日: 2019年07月02日

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新型出生前診断についてはその是非に賛否両論あります。「命」を考える上で、遺伝子専門医のもと、しっかりとカウンセリングを受けることが大切だと考えます。

prprpotさん

新型出生前診断については賛否両論

現在、産婦人科医の考え方によっては「積極的にNIPT(新型出生前検査)について説明していない」のが現状。その理由として、「生の産み分けが行われるリスク」があるから。

日本に古くからある考え方「優勢保護法」による障害の排除があるとされている。

赤ちゃんの病気は、わかったほうがいいとは限らない
生まれてくるまで、病気は知らないほうがよいという考え方もあります。病気を知れば、その子を育てていく自信がなくなり、産むことをあきらめる場合もあるからです。倫理上、許されないという意見もあります

本来はすべての出生前に遺伝カウンセリングが必要とされている

大学病院では産婦人科で羊水検査をするまえに,遺伝専門医が事前に診療するのが当たり前です.遺伝の診療に何より大事なのは,「第三者性」

遺伝カウンセリングとは?

あなたは、自分自身や家族、親せきの方の病気や体質のことで不安や悩みを抱えていませんか?
たとえば…
家族や親戚に同じ病気の人が何人かいる…
この病気って遺伝するの?
私や家族の病気は、どんな病気なの?
家族や親戚に影響があるの?
自分の子供や兄弟の子供が、同じ病気にならないかしら…
結婚や出産は大丈夫?
などで不安や悩みを抱えていませんか?

遺伝カウンセリングでは、遺伝に関わる悩みや不安、疑問などを持たれている方々に、まず科学的根拠に基づく正確な医学的情報を分かりやすくお伝えし、理解していただけるようにお手伝いいたします。その上で、十分にお話をうかがいながら、自らの力で医療技術や医学情報を利用して問題を解決して行けるよう、心理面や社会面も含めた支援を行います。

新型出生前診断(NIPT)で陽性診断を受けた場合その9割が中絶の判断をしている

新型出生前診断を受けて、陽性と判断された場合、あなたはどのような判断をしますか?

あなたのお腹の中に宿った「命」の重さをどう考えますか?

出生前検査を考えるということは胎児の生命について考えることです。そのため大変難しい問題を含んでいます。

「みんな中絶しているから自分も」…新型出生前診断の拡大がはらむ危険と怖さ

出典いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち

生まれてくる子どもに重い障害があるとわかったとき、家族はどう向き合えばいいのか。大人たちの選択が、子どもの生きる力を支えてくれないことも、現実にはある。命の尊厳に対し、他者が線を引くことは許されるのだろうか?

出典いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち

新型出生前診断における遺伝子専門医の役割

検査について知っているか?知らないか?
検査を受けるか受けないか?
産むか産まないか?

これらの悩みに対応するのが遺伝子専門医による遺伝カウンセリングです。

NIPTの問題点として「妊婦が十分な認識を持たずに検査が行われる」,「検査結果の意義について妊婦が誤解する」,「胎児の疾患の発見を目的としたマススクリーニング検査として行われる」というみっつの可能性が指摘

検査の十分な説明とマススクリーニング化の防止というふたつの効果を期待しているように読めます.しかし実は遺伝カウンセリングは検査の単なる説明ではないし,検査をなるべく受けさせないように説得する手段でもありません.

産婦人科では母体の利益を優先し,小児科では胎児の利益を優先する傾向にあります.
わたしたち臨床遺伝専門医は,第三者として家族全体の利益の最大化を図るため,あなたに寄り添う専門医です

セカンドオピニオンを含め、遺伝子専門医のいる施設でのカウンセリングを受けたうえで、家族について考えてみる機会を大切にしてみることも必要だろうと考えます。

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