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トヨタ「センチュリー」日本が誇る孤高のショーファーカー

21年ぶりに3度目のフルモデルチェンジされた新型センチュリーは、数多くの台数を販売して利益を上げるために開発される量販車とは異なり、工業製品でありながら、工芸品の域に踏み込むようなものづくりが施されている。

更新日: 2019年06月20日

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21年ぶりに3度目のフルモデルチェンジされた新型センチュリーは、数多くの台数を販売して利益を上げるために開発される量販車とは異なり、工業製品でありながら、工芸品の域に踏み込むようなものづくりが施されている。

センチュリーは究極の日本(にっぽん)代表だ。

すべては後席のVIPのために

前から後ろまで一本筋の通ったショルダー部のキャラクターラインには、「几帳面」と呼ばれる平安時代の屏障具の柱にあしらわれた面処理の技法を採用しているとのこと。恥ずかしながら、几帳面という言葉の源を初めて知りました。「近年、忘れられている、日本人のあるべき姿を思い出せ」とセンチュリーに言われているような気がします。

ボディが身だしなみを整える鏡になる

仕上げまでに1週間を要する7コート5ベイク塗装は、間に3回の水研工程を挟み、さらに最後にバフ研磨を行います。これが肝。熟練の手によって、徹底的に平滑に仕上げられていくのです。その目的がまたすごい。

ボディに映り込むVIPの姿を、鏡のようにピシッと歪みなくするためだそうです。また、ボディ全体に映り込む景色も。恥ずかしながら自分の姿も映してみましたが、なんと端正なことか。実際、乗り込む前や降りた後、ボディを鏡にしたネクタイや髪を直すVIPもいるのだそうです。このため、リアピラーの磨きには特に念を入れるのだとか。こんなことまで考えているとは驚きです。

パワートレーンはV8エンジン+ハイブリッド

パワートレーンはレクサスLS600hと同じ、V8ハイブリッドシステムを搭載する。エンジンは2UR-FSE型。排気量4968㏄のV型8気筒エンジンだ。燃料噴射は直噴とポート噴射を併用するD-4S。動弁系はローラーロッカーアームを介したDOHC4バルブで、吸排気両側のカムシャフトにタイミング可変機構を装備する(吸気側は電動)。ハイブリッドシステムは、遊星歯車でエンジンとモーターの分担率をシームレスに変えるTHS-Ⅱ。走行用バッテリーは、実績のあるニッケル水素式を採用する。

全長×全幅×全高=5335×1930×1505mm、ホイールベース=3090mmというトヨタの頂点にふさわしい、堂々たるボディーサイズを持つ。

外装は華美にならない、落ち着いた最高級

センチュリーの外観は、飾りすぎず、静かにどっしりと構えた高級感がただよっています。

フロントグリルには、センチュリーの象徴でもある「鳳凰」エンブレムが鎮座しています。たがねと鎚を使い、職人が彫り上げる鳳凰には、江戸時代から続く匠の技が使われています。

ボディやフロントグリルに対して、控えめな大きさの鳳凰は、センチュリーのコンセプトを忠実に表現しています。

ボディカラーの4色は、「神威」「摩周」「飛鳥」「精華」という名称。カラークリア層を含めた7層構造に、研ぎと磨きを徹底的に行うことで、深い色味と輝きを放ちます。

機械化が全盛のクルマ作りのなかで、職人の手による匠の技がセンチュリーの外装を造っています。

内装は芸術品が並ぶ

内装で特筆すべきは、シートです。高級車=本革シートの概念を覆し、センチュリーの標準装備は布シートとなっています。

センチュリーのために作られたシート素材は、上質なウールで織り上げたシャガードモケット。メーカーオプションで本革を選ぶこともできますが、あえてセンチュリーには、シャガードシートで乗っていただきたいです。

室内の時計の文字盤やインパネ、さらにはフロントグリルに、日本の伝統文様である「七宝文様(しっぽうもんよう)」があしらわれています。他にも後席の折り上げ天井には、紗彩形(さやがた)崩し柄の織物が用いられています。頭上高を高める折り上げ天井構造と、そこに特別な素材を使うことは、非常に稀な作りといえるでしょう。

室内の随所にセットされる本杢パネルは、タモの中心部分でしか取れない貴重な木目を使用。その木目を際立たせるために、熟練の匠が刷毛で彩色し、趣のある濃淡を引き出しています。

室内からのドア開閉ノブにも本杢を使用。操作力も軽い。

オーディオ、空調、シートなどの操作パネルも後席に装備。

職人の精緻な技術によって完成されたセンチュリーは、伝統工芸品といっても過言ではありません。これからも、世界に誇れる日本の技術力を示す存在であってほしいクルマの1台です。

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