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空腹時の『ライチ』に注意…インドで相次ぐ死亡事故に警鐘

初夏が旬、"世界三大美女"の楊貴妃も愛した魅惑のフルーツ「ライチ」。しかし、ライチの生産が盛んな地域では毎年、ライチの果樹園で遊ぶ子供たちが重篤な脳症にかかり、死亡する事故が相次いでいます。豊かな国では殆ど知られていない、ライチの毒性とは──。

更新日: 2019年06月22日

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楊貴妃も愛した魅惑のフルーツ『ライチ』

中国の嶺南地方原産とされる果物。

ライチは中国の代表的なムクロジ科の果物で、茘枝(レイシ)とも呼ばれ、福建省から広東省の中国南部が原産地といわれています。

広東語での発音、ないし台湾語・閩南語での発音に基づき、ライチー、あるいはライチとも呼ばれる。

栽培に適した気候が限られている果物で、低温、積雪に弱いため、亜熱帯気候の地域が最適な栽培地域となります。

有名なエピソードとして、楊貴妃がレイシ(ライチ、茘枝)を好み、嶺南から都長安まで早馬で運ばせたことも伝えられる。

「世界三大美人」として知られる中国の皇妃、楊貴妃(719年 - 756年)が愛した果物としても有名です。

鮮度が落ちやすいことと防疫上の理由で、以前は冷凍品での流通がほとんどでした。しかし流通技術の改善により、現在は生の果実が輸入されるようになり、一般にも広く販売されています。

おそらくここ日本でも、多くの方にとって馴染みのある果物なのではないでしょうか。

そのライチが原因とされる死亡事故が相次いでいる

インド東部で、ライチの果実に含まれる毒素との関連が疑われる脳炎が原因で、ここ10日間に少なくとも31人の子どもが死亡したと、保健当局が12日、発表した。

インド北部の産地では過去20年間、ライチを食べた後に原因不明の脳疾患で死亡する子供が相次いでいるという。

亡くなった子どもたちには全員、急性脳炎症候群(AES)の症状が見られ、大半が血糖値の急降下に見舞われた

尿検査の結果、患者の66%からライチの種に含まれるハイポグリシンという成分が検出され、子供のほとんどが危険なほどの低血糖状態に陥っていることが判明した。

同じ地域では1995年以降、毎年夏になると同様の流行がみられ、特にライチが旬を迎える時期に集中している。

死亡事故はインド北東部のバヒール州などで多発

ビハール州(英語:Bihār 、ヒンディー語:बिहार)は、インドを構成する州の一つ。州都はパトナ(古都パータリプトラ)。

急性脳炎はウッタルプラデシュ、ビハール、西ベンガルなどの州に広がっており、患者は貧困層の多い地域に集中している。

ムザファルプール県とその周辺では1995年以降、ライチが旬を迎える夏になると毎年同じ病気が多発しており、2014年は最多の150人が死亡した。

地元のテレビ局に対しある医師は、公営病院は設備が整っておらず、相次いで訪れる患者に対応できていないと語った。

原因については、ウイルスまたは果物のライチに関連した環境毒素に起因する神経疾患の急性脳炎だったと診断されている。

ライチにはあまり知られていない毒性がある

糖新生(飢餓時に筋肉や脂肪を糖に変換する作用)を妨害する毒成分ヒポグリシンがあることでも知られており、ライチの産地であるインドの北東部ビバール州ムザッファルプルにて、小児を中心に重篤な脳炎を多発させた。

人間がヒポグリシンを摂取すると痙攣、昏睡、致死性の脳症などを誘発し、最悪の場合は数時間で死亡する危険性がある。

ライチの類縁にあたるアキー果実もヒポグリシンが豊富で、栄養不良の児童がこれを摂取すると、用量依存性の中毒性低血糖脳症を誘発する。

毎年、発症する子どもは数百人、そのうち約40%が亡くなってしまい、100人以上の死者を出し続けているという恐ろしい病気

貧困地域の子供たちの重い現実

確かにライチには毒性があるようですが、特定の地域で相次ぐ死亡事故の原因をライチ自体のみに求めるわけにはいかないようです。

謎の死の原因は果物のライチに含まれる成分と、不幸な偶然が重なってしまったことだったようです。

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