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ギロチンから20年!諫早湾がまだ揉めている

20年以上前から諫早湾の堤防の門を「閉める」か「開けるか」で揉めています。ほかの地域の人からしますと、不思議に思えますが、地元の人にとっては大変な問題です。

更新日: 2019年06月30日

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20年以上前から諫早湾の堤防の門を「閉める」か「開けるか」で揉めています。ほかの地域の人からしますと、不思議に思えますが、地元の人にとっては大変な問題です。

m.satoakiさん

なにを揉めているのか

長崎県諫早湾にある堤防の門を「閉めるか」「開けるか」で揉めています。その発端は諫早湾の干拓事業の開発でした。

「干拓」とは「 海岸や河口の水面を堤防で仕切って陸地を造成すること」ですが、海を埋め立てて農地にするために堤防の門を閉めました。

しかし、その後ノリや貝類など漁業への被害が表面化し、「堤防を閉めたこと」が原因と漁業関係者が裁判を起こしました。

その裁判の判決がねじれていることが、揉めている一番の理由です。今回(2019年6月27日)、最高裁で「堤防の開門の必要はない」という判決が出たのですが、すでに「開門を命じた」判決が出ていることが問題を複雑にしています。

結局、「司法の判断がねじれた状態」になっていることが、混迷している原因です。

民主主義の難しさを感じずにはいられません。

「ギロチン」の意味は?

293枚の鋼板が次々に海底に落とされていく。

その間、わずか45秒。

1997年4月、全長7キロの潮受け堤防のうち、最後の1.2キロが締め切られた瞬間だ。

鉄の水門が海に突き刺さる様子は、ニュース映像で「ギロチン」と形容され、全国に衝撃を与えた。

6月27日最高裁の判決

最高裁判所は、漁業者側の上告を退ける決定をし、堤防の開門の必要はないという判決が確定しました。

逆に開門を命じた高裁判決もすでに確定しているため司法の判断がねじれた状態は変わりませんが、最高裁で開門を認めない判決が確定するのは初めてで、残るほかの裁判への影響も注目されます。

諫早湾干拓事業

有明海の内海に当たる諫早湾では、1950年代から干拓構想が持ち上がり、国営諫早湾干拓事業が世紀をまたいだ2007年に完成した。

堤防内の3,500ヘクタールに干拓地と調整池が設けられている。うち農地は670ヘクタール。

2016年度は40の法人や個人が玉ネギやジャガイモ、ミニトマトなどを栽培している。干拓農地の農業生産高は2015年度で30億円を超えた。

構想当時は諫早干潟を水田に変えるのが目的だったが、米余りの時代が到来。目的はいつの間にか水害や塩害防止に変わっていた

有明海の環境悪化を懸念する声は早くから上がっていた。

漁業被害報道

諫早湾のムツゴロウ 永遠に葬られました どう見ても不自然ですよね。 辺野古もこうなろうとしています。 news.headlines.auone.jp/stories/domest… pic.twitter.com/TemOPKgFbL

潮受け堤防の水門閉鎖後、深刻な漁業被害が発生していると報じられるようになった。

主な被害として、二枚貝タイラギの死滅、海苔の色落ちなどがあるとされ、自然保護団体や沿岸の各漁業協同組合が反対運動を行った。

原因は干潟の浄化作用が機能しなくなった為とされたが、海苔養殖業者が消毒目的に散布した酸や化学肥料による影響との主張もあり、海苔養殖業者と他の漁業者との紛争も発生した。

2001年にはノリの大凶作が表面化した。諫早湾の閉め切りが原因として、漁業者側が起こした開門を求める訴訟は10年末、勝訴が確定

しかし開門期限直前の13年11月、干拓地の営農者が求めた開門差し止め訴訟で「開門しない」仮処分が決定

それぞれの主張

干拓事業により魚や貝が取れなくなったとして、有明海沿岸の漁業者らが堤防の排水門の開門を要求。福岡高裁が国に開門を命じた判決が確定した。

一方、干拓地の営農者らは、開門すると農地や作物が海水の影響を受けるとして、開門差し止めを求め長崎地裁に提訴していた。

一連の裁判

2004年に佐賀地裁は漁業被害との因果関係を一部認め、工事中止の仮処分も決定

2005年の福岡高等裁判所判決では仮処分を取り消され工事が再開された。

2008年6月27日、佐賀地方裁判所は干拓事業と漁業被害と関連を問う裁判で漁業被害との関連を一部認め、潮受け堤防排水門について調査目的で5年間の開放を行うよう命じる判決を言い渡した

これに対して国と主張が認められなかった漁民51人は高裁に控訴

2010年12月6日、福岡高等裁判所は佐賀地裁の一審判決を支持し、「5年間の潮受け堤防排水門開放」を国側に命じる判決

100億円の漁業振興基金で解決を図る

国営諫早湾干拓事業の開門問題を巡り、吉川貴盛農相は(2018年10月)18日、佐賀、長崎両県を訪れた。

潮受け堤防排水門の開門を求める漁業者らとの会談では、開門せずに100億円の漁業振興基金で解決を図る考えを示し、両者の議論は平行線をたどった。

県や県有明海漁協との意見交換で山口祥義佐賀県知事は、長期的に有明海再生事業を継続するための制度の創設を要請した。

弁護団の馬奈木昭雄団長は、開門しないことを基金の条件にしている点に反発

民主主義の難しさ

開門するのか、しないのか-。相反する司法判断が出たことで混迷を深めているように映る国営諫早湾干拓事業の開門問題だが、長年にわたる政府の場当たり的な対応が大きな要因とする見方も根強い。

党派を問わず佐賀、長崎両県の国会議員はそれぞれ開門派、開門阻止派に分かれ、政府では農相が代わるたびに「現地視察」を行うのが恒例化している。

ある関係者は「何の罪もない漁業者と営農者の対立の構図を解消するのは、政治の責任」と訴える。

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