日本柔道は、2012年のロンドン五輪では、金メダルを1個も取れず、まさにどん底を味わったが、井上監督が率いた2016年のリオ五輪では金3個へと躍進を遂げた。
この間、日本柔道の再起を託された井上監督は、練習の中身を抜本的に改革し、特に科学的な知見に基づくトレーニングを導入したという。

2年前、週刊誌のインタビューに答えて、井上監督が語ったところでは、従来の練習は、ランニング、つまり「走り込み」が中心で、「質より量」が重んじられていたという。

しかし、井上監督は練習の「質」にこだわり、海外の多種多様な格闘技を研究するなどして、その間合いや技を研究したり、減量法やトレーニング法を改革した。

これらは、日本オリンピック委員会の「スポーツ指導者海外研修員」として、2年間イギリスに留学した際に学んだものが土台となっているそうだ。井上監督は、留学中に「自分はこんなに無知だったんだな」と気づいたと述懐している。

また、何よりも旧来型の指導者と異なる点は、選手の自立、自主性を重んじ、常日頃から「自主性イコール覚悟と責任だ」と指導しているという点である。

「苦痛は美徳」はもうやめよう!

出典日本スポーツ界はいつまで不毛すぎる「根性論」を続けるのか(原田 隆之) | 現代ビジネス | 講談社(2/3)

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