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天才物理学者・ホーキング博士が悩む人々へ贈った暗闇からのメッセージ

イギリスのスティーヴン・ホーキング博士は「第2のアインシュタイン」と呼ばれた物理学者。筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため、車イス生活を送り、コンピューターで会話をする「車椅子の物理学者」としても知られた博士は、2016年にラジオ番組を通じて人々にひとつのメッセージを贈った。

更新日: 2019年08月12日

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1942年1月8日 - 2018年3月14日
イギリスの理論物理学者で、一般相対性理論と関わる分野で理論的研究を前進させ、1963年にブラックホールの特異点定理を発表し世界的に名を知られた。

1960年代、学生の頃に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症し、発症から5年程度で死に至る病であると考えられていたが、途中で進行が急に弱まり、発症から50年以上にわたり研究活動を続けた。

晩年は意思伝達のために重度障害者用意思伝達装置を使っており、スピーチや会話ではコンピュータプログラムによる合成音声を利用していた。

2018年、イギリス東部・ケンブリッジの自宅で死去した(76歳没)

2016年2月2日、ロンドンの英国王立科学研究所に開催されたラジオ番組の公開収録で、ホーキング博士は鬱に悩む人々に向けて語り、その言葉は大きな話題を呼んだ。

「お伝えしておきたいのは、ブラックホールがそれほど【真っ黒】ではないと言う事。かつて想像されていたような永遠の牢獄ではありません。抜け出すことや、別の宇宙に突き飛ばされることもありえるかも知れません。ですからあなたがブラックホールに落ちたとしても、どうぞ諦めないで下さい。出口はあります」

電動車いすを気まぐれかつ大胆に乗り回すことで有名なホーキング博士は、ユーモアあふれる人物としても知られ、人々を宇宙と科学の世界へ誘うため多くのメディアに出演し、研究を通じて実感した数々の言葉を残している。

『障がい』や『苦難』について

不完全さがなければ、あなたも私も存在しない。

──Discovery Channel「Into The Universe With Stephen Hawking」, 2010

障がいのせいでできないことに目を向けるのではなく、障がいがあっても上手くできることに集中して欲しい。身体は障害を負っていても、気持ちまで障害者にならないでください。

── The New York Times, 2011

身体の障がいがあまりマイナスにならない理論物理学という学問に身を捧げてこられたこと、著書がベストセラーになったことなど、私はラッキーでした。障がいを持つ人々に対するメッセージは、自分の障がいがマイナスにならないことに集中して、それでも妨げられることには決して悔やまないでくださいということです。

── El Pais, 2015

私は障がいを持っていることで、ある意味助けられています。教鞭を執ったり退屈な会議に出席することを義務づけられて無駄な時間を浪費することなく、研究や思考実験に打ち込めるんですから。

── El Pais, 2015

行き詰っても、逆上するのはよくない。そんなとき私は、頭でその問題について考えながら、別の作業をします。ときには、前に進む道を見つけるのに数年かかることも。情報損失とブラックホールのときは、29年かかりました。

── The Guardian, 2005

ブラックホールに吸い込まれるのは、カヌーに乗ってナイアガラの滝に落ちることに似ています。必死でオールを漕げば抜け出せるのです。ブラックホールはいわば究極の“リサイクル・マシーン”で、飲み込んだものを再構成してもう一度同じものを出現させるんです。

── El Pais, 2015

私は気づいたんです。すべては決められていて、私たちにはそれを変えることができないと主張する人でさえ、道を渡る前には左右を確認することを。

── Black Holes and Baby Universes and Other Essays, 1994

Q「3人の子どもたちへのアドバイスは?」

一つ目は、足元を見るのではなく星を見上げること。二つ目は、絶対に仕事をあきらめないこと。仕事は目的と意義を与えてくれる。それが無くなると人生は空っぽだ。三つ目は、もし幸運にも愛を見つけることができたら、それはまれなことであることを忘れず、捨ててはいけない。

── ABC News, 2010

『人類の歴史』や『未来』について

宇宙人がやってきたら、コロンブスのアメリカ大陸到着と同じことが起こるでしょう。あれは、ネイティブ・アメリカンにとって好ましいことではなかった。知的生命体が私たちが会いたくない何かになるかもしれないことは、私たち自身を見ればわかることです。

── Into the Universe with Stephen Hawking, 2010

Q「技術革新で人間が仕事を奪われる可能性はありますか?」

ロボットが必要なものを全て生産するようになれば、富の分配をどうするかによって結果は大きく違ってきます。もしロボットが生み出す富を皆で分け合えば、全員が贅沢な暮しをできるようになる。逆に、ロボットの所有者が富の再分配に反対して政治家を動かせば、大半の人が惨めで貧しい生活を送ることになる。今のところ後者の傾向が強い。技術革新で富の不平等は拡大する一方だ。

── 2015年、米ニュースサイト「レディット」のイベント

今後100年間のどこかの時点でAIは人間の能力を超えていきます。そしてこの人工知能の目的は我々人間を“余所者”にすることだと気づく必要があるのです。

── El Pais, 2015

私たちがひも理論を理解したとき、宇宙の始まりを知ることができるでしょう。私たちの人生に大きな影響を与えることではありませんが、私たちがどこから来て、今後の探索で何を見つけられるのかを理解するうえで非常に重要な理論です。

── The Guardian, 2005

Q「どうすれば、若い人たちが科学に興味を持つようになるでしょうか?」

子どもというのは、いろんな意味で最高の聞き手だと思っています。ためらわずに理由を聞こうとしますし、ごく自然に宇宙に興味を持っている。早い段階で興味を引きつければ、そういった子どもたちが、将来、科学者になるかもしれません。

──2006年 JAXA インタビュー

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