最後に残った頭部が宙に浮いたまま口を開いた。「こご掘れば」目を横切って赤い線が走る。
「まえへんネ」女の顔は、瞳を境にバックリと上下に切り開かれ、ぐちゃっと布団の上に
転がった。鮮烈な血の匂が鼻を突き、僕は堪えきれずに嘔吐した。ぶつ切りの女の死体は、
止め処なく血を流し、うねうねと蠕動した。「ぎゃあっ」僕は大声で叫んでしまった。

 得体の知れない別の気配を感じたのは、その時だった。床の間の辺から、室内とは思え
ぬ強烈な風が吹き付け、僕の髪を舞い上げた。目を細め風の向うを見つめると、二つの幼
い顔が見えた。おかっぱ頭の無邪気な顔。しかし、二人の体は赤く腫れ、膨れ上がり、細
い亀裂が全身を覆って、所々肉が裂け体液が噴出している。二人は爛れた口を尖らせると、
寒い冬風を吐きかけて女の肢体を吹き飛ばした。女の残骸が断末魔の叫びと共に霧消した。

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