そのうち、揺らめく道路の向こうからエンジン音がしてきた。その音に気づき、少年は停留所から身を乗り出す。
しかしそれはバスではなく、普通の常用車。少年はガックリうなだれて再びベンチに腰掛ける。
そして、篭った声でブツブツと文句…というよりは恨み言に近い言葉を、過ぎ去る車に浴びせかけるのだった。

(何も恨むような事ではないだろう)と思っていると、また車が向かって来る音。
少年は身を乗り出し、バスではないと分かると、ベンチに戻り恨み言。
Kの休憩中の間に、その一連のアクションが何度か繰り返された。

疲れも取れ、少年の行動も馬鹿馬鹿しく思えてきたので、Kはそろそろこの場を立ち去ろうとした。
ちょうどそこへ、地元の農家の人らしき小父さんが軽トラックでやって来て、停留所の少年に声をかけた。
「○○、また待っちょるんか。もう、バスは来んて言いよろうが」
やはり、彼はバスを待っていたのだ。話しぶりによると、いつもこんな調子らしい。

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