この小父さんが気さくな人で、Kのパンクした自転車を見て「ウチで治してやる」と言うや否や、
軽トラに自転車を積みこみ、Kを助手席に押し込んだ。
あの少年の事を尋ねると、小父さんは「奴ぁ、これやけん」と人差し指を頭の横でグルグル回して見せた。

小柄なので少年だとばかり思っていたが、実はもう20代の青年だそうで、
東京の大学に進学したものの、頭が良すぎる故に人生に思い悩み、心を患って田舎に帰って来たという。
普段は実家の畑仕事を手伝っているが、時々発作的にああして遠くに旅立とうとするそうである。
小父さんは軽い口調で話していたが、まだ多感な時期のKはひどく複雑な心境になった。

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