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私って精神障害?それとも知的障害?と思ったときは

自分や家族が障害を負った場合に国や自治体からの支援を受けたい場合には、各種障害者手帳の申請をする必要があります。どの手帳を申請すべきなど、身体障害者手帳、療育手帳(愛護手帳)、精神障害者保健福祉手帳についてまとめました。

更新日: 2019年09月14日

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この記事は私がまとめました

もしかして障害なのかもと思った時の行動についてまとめました。

hironon0828さん

障害の定義とは

障害者基本法(昭和45年法律第84号)では、次のように定められています。

「第二条この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」
と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」

ここからわかることは、障がい者は3種類に分けられるということです。
*身体障害者
*知的障碍者
*精神障害者

身体障害者の定義とは

身体障害者に関する定義は、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)に定められており、次のような者を身体障害者として定めています。

「第四条この法律において、「身体障害者」とは、別表(※)に掲げる身体上の障害がある十八歳以上の者であつて、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう。
※別表に定められている障害の種類
①視覚障害、②聴覚又は平衡機能の障害、③音声機能、言語機能又はそしやく機能の障害、④肢体不自由、⑤内部障害(心臓、呼吸器、腎臓、免疫、小腸・直腸など)」

ただし、身体障害者手帳については、18歳未満であっても発行はされます。

知的障害者の定義とは

知的障害については、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)に定められており、次のように定められている。

(※ 「知的障害者」の定義規定はない。)
(この法律の目的)
第一条この法律は、障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)と相まつて、知的障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、知的障害者を援助するとともに必要な保護を行い、もつて知的障害者の福祉を図ることを目的とする。

精神障害者の定義とは

精神障害については、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)に定められており、次のように定められている。

第五条 この法律で「精神障害者」とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。

知的障害と精神障害は同じもの?

時々、知的障害と精神障害と発達障害を別々のものとして考えている方がいますが、法律や制度上はそれぞれ区分されていますが、実際はすべて「精神疾患」として精神障害に括られています。

障害の疾患を定めるにあたって、ICD10という世界共通で利用しているコード表があります。
ICD10とは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下「ICD」と略)」と言われ、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。

ICD10とは?

ICD10は、次の項目に分けられている。

第1章 感染症及び寄生虫症(A00-B99)
第2章 新生物(C00-D48)[883KB]
第3章 血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害(D50-D89)
第4章 内分泌、栄養及び代謝疾患(E00-E90)
第5章 精神及び行動の障害(F00-F99)
第6章 神経系の疾患(G00-G99)
第7章 眼及び付属器の疾患(H00-H59)
第8章 耳及び乳様突起の疾患(H60-H95)
第9章 循環器系の疾患(I00-I99)
第10章 呼吸器系の疾患(J00-J99)
第11章 消化器系の疾患(K00-K93)
第12章 皮膚及び皮下組織の疾患(L00-L99)
第13章 筋骨格系及び結合組織の疾患(M00-M99)
第14章 腎尿路生殖器系の疾患(N00-N99)
第15章 妊娠、分娩及び産じょく<褥>(O00-O99)
第16章 周産期に発生した病態(P00-P96)[486KB]
第17章 先天奇形、変形及び染色体異常(Q00-Q99)
第18章 症状、徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの(R00-R99)
第19章 損傷、中毒及びその他の外因の影響(S00-T98)
第20章 傷病及び死亡の外因(V01-Y98)
第21章 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用(Z00-Z99)
第22章 特殊目的用コード

知的障害と精神障害がなぜ同じ精神障害と言えるのか

知的障害と精神障害と発達障害が同じ精神障害と言える理由は、先ほど挙げたICD10に由来します。

知的、精神、発達に関する項目は、ICD10のコードFに分類されています。
コードFは、アルツハイマー病の認知症から始まり、アルコール依存や統合失調症の症状の一つである器質性幻覚症やが分類される(F6)や人格障害などが分類される(F7)が含まれ、後半には、知的障害に分類される学習障害などが(F81)に分類されていたり、発達障害が(F84)に分類される。

現在の日本の精神障害者手帳は、このコードFに分類されるもので、日常生活において支障が生じており、支援を要する場合について発行されるものであるため、知的障害や発達障害も、障害の程度によっては精神障害者手帳が発行される。
よって、同じ精神障害と言えるのです。

それぞれの障害かもと思った時に申請すべき手帳とは

自分自身や家族が、もしかして障害かもと思った場合は、何を申請すべきなのか。
障害者手帳には、「身体障害者手帳」、「療育手帳(愛護手帳)」、「精神障害者保健福祉手帳」の3種類がある。

【身体障害者手帳】
 ・肢体不自由(上肢、下肢、体幹)の機能障害
 ・視覚(視野、視力)の機能障害
 ・聴覚(聴力、平衡、音声、言語、そしゃく)の機能障害
 ・心臓の機能障害
 ・腎臓の機能障害
 ・肝臓の機能障害
 ・直腸、ぼうこうの機能障害
 ・呼吸器の機能障害
 ・小腸の機能障害
 ・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害

各都道府県の身体障害者福祉法に基づく指定医による診断書をもって申請をすることができる。障害者手帳の等級は、障害にもよるが、1級~7級まで存在する。ただし、一番軽い7級については、原則手帳としては発行されない。だが、7級と7級など複数存在する場合は、合算した場合に6級以上になる場合には、手帳が発行される。(指数計算)

【療育手帳(愛護手帳)】※自治体によって名称が異なる。
 IQ(知能指数)または、DQ(発達指数)(IQによる測定が不可能な場合)の検査結果によって、発行されるか否か、等級が決まる。
等級については、各自治体により定められており、区分A、B、Cといった地域やA1、A2、Bや、A1、A2、B1、B2など表記やIQの数値基準が異なる。
 基本的に20歳までの取得申請であり、学習に障害があると思われる人に発行される手帳。
 小中学生であれば、不登校やさぼりなどによらずに学力向上が見込まれず、成績や日常生活に支障をきたす程度の障害が見受けられる場合に発行される。
 明確な発行基準(数値)は国では定められておらず、各都道府県が定める基準で発行される。そのため、地域によっては、同じ検査結果でも等級が変わったり、手帳の発行の有無が変わる場合がある。
大概は、IQの場合は75以下の場合に発行される。(地域によっては、IQ70以下などもある。)
また、IQ78などグレーゾーンなどについては、幼少期であり、精神科医による意見書があれば、特例的に手帳が発行される場合がある。

逆に、20歳以上での申請になると、知的に遅れが生じていることを証明する必要が申請前に必要になる場合がある。各自治体によっては、判定そのものを受けられない場合もあるため、申請前検査で必要なもの(成績表や個人調査票など)を用意したほうがいい場合もある。
(※個人調査票の成績については、法律の規定により、卒業後5年で請求できなくなるため注意が必要。特別支援学校(知的)などであれば、在籍証明書で成績表の代わりに手続きに使用できる場合もある。)

【精神障害者保健福祉手帳】
精神障害者保健福祉手帳も各都道府県の基準によって発行される手帳の一つである。等級は、原則1級~3級に分かれている。
申請するためには、該当する疾患について医療機関に半年以上通院していることが条件(紹介状などをもってして転院している場合は前の医療機関の初診日から含まれる場合もある)である。
医師による意見書で、日常生活における支援の必要性や治療の方針によって認定される。
なお、精神疾患のため、服薬などにより寛解状態(完治ではないが、それに近い状態。安定期に入っている状態)であれば、該当しない、もしくは一番低い等級になる場合もある。そのため、手帳を所持できる期間とできない期間が生じる場合もある。
これにより、身体障碍者手帳とは異なり、有効期限が定められており、原則2年間に1回更新しないといけない。(障害の重症度や等級は関係ない)

介護認定や障害者年金を受給していても手帳はもらえない?

介護認定で要介護1~5を持っていたり、障害年金で1級、2級を受けている人は、障害者手帳に該当するのでは?と考える人もいるかもしれませんが、残念ながら、必ずしも該当しないのが現状です。

介護認定は、生活の程度で判定されるものであって、体の状態などは関係ありません。一方で、身体障害者手帳は身体的に判定されるため、極端な話、寝たきりの人でも、身体に問題がなければ身体障害者手帳は受けれません。一方で、膝関節の機能障害などで歩行困難などであれば、介護保険に該当していなくても身体障害者手帳は発行されます。

障害年金については、認定基準が異なるのと、介護認定と同様に、手帳の制度とは異なるため、必ずしも認定は出ません。ただし、精神障害者保健福祉手帳については、障害年金を受給している場合は、年金証書での申請もできます。この場合は、障害年金の等級で手帳の発行がされるため、障害年金を2級で受給している場合は、障害者手帳も2級で発行されます。(身体、知的は障害年金では申請できない。)

結局どの手帳を申請したらいいのか

ここまで、いろいろと書いてきましたが、結局どの手帳を申請したらいいのかわからない人もいると思います。簡単に以下にまとめておきます。

【人工関節に置換しないといけないほど歩行困難な関節機能障害】
 →身体障害者手帳(肢体不自由の下肢機能障害)

【アルツハイマーによる認知症】
 肢体不自由(歩行困難や筋力低下による寝たきりなど) → 身体障害者手帳(肢体不自由)
 認知症による健忘、気分障害 → 精神障害者保健福祉手帳

【数学や国語など学力が低い】
 →療育手帳(愛護手帳)

【運動機能や認知機能の発達に遅れがある】
 機能障害による学力障害があれば → 療育手帳(愛護手帳)
 機能障害による身体障害があれば → 身体障害者手帳
 発達に遅れがあるだけで、知的、身体面は問題ない → 精神障害者保健福祉手帳

障害者手帳は申請すべきか

今日では、障害者手帳にもよりますが、様々な福祉制度を受給することができます。法律や国の指針に基づいて定められているのは、次のような制度です。

・介護給付(ショートステイ、グループホーム、家事援助(ヘルパー)など)
・就労支援給付(移行、A型、B型事業所の利用、就労定着支援)
・福祉医療助成(医療保険に係る診療費、医療費の助成)
・公共機関(鉄道、バス、航空、船舶、有料道路(※いずれも事業者による))の割引
・公共施設(美術館、博物館、資料館、テーマパークなど(※施設の定めによる))の割引等

その他、各自治体が独自に行っている場合には、別途交通費や医療費、生活支援などが受けられる場合があります。
ただし、今の日本はどこも財政難です。現時点で受けられている制度でも、今後受けられなくなる場合もあります。手帳の申請をしてどの制度を受けたいのかによっては、手帳の申請をしても、手帳を持っているだけで、何もメリットがない場合もあります。
例)特別養護老人ホームに入所中の人が手帳を申請。
→介護保険からの給付があるため、障害者手帳のメリットは医療費の助成程度しかない(等級によっては、医療費受給者証が発行されないため、このメリットもなくなる。)

最後に

手帳は、紋所ではないため、持っているからと言って何か特別扱いしてもらえたり、生活が180度変わって楽になるわけではありません。
あくまでも補助的なサポートが受けられるというものであるため、自分自身が何を必要としていて、申請する気があるのかが大切です。
国民全員の権利ではありますが、特権ではないので、手帳を持ったからと言って文句ばかり言っていてもなんの意味もありません。
必要なものを必要なだけ申請しましょう。

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