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この記事は私がまとめました

ソクイラさん

※注意事項

※注意事項
このまとめは、ネット上で見つけた怖い話をまとめたものです。
5分以上20分未満で読める怖い話をまとめております。
2500~10000字の怖い話が対象です。

・文字数は、句読点を含めたすべての字数です。
・推定読了時間は、1分間に500文字読んだと仮定して計算しております。
(読むスピードは人それぞれですから、あくまで目安です。)
・恐怖指数は、個人的に感じた恐怖を数値化したものです。
(ただし私個人の感覚ですから、人によっては違うと感じる場合がございます。あくまで参考です。)

★☆☆☆☆ あまり怖くない
★★☆☆☆ 少し怖い
★★★☆☆ まあまあ怖い
★★★★☆ 結構怖い
★★★★★ かなり怖い

※タイトル一覧

・夏休みのバイト
・別れた女
・おにいさん
・熊取町若者七人連続怪死事件
・幽霊の出る交番

文字数:2812字
推定読了時間:6分前後
恐怖指数:★★★★★

800 :別れた女1:2007/03/29(木) 02:39:45 ID:1w4PBrF30
五年間、付き合った女性がおりました。
五年という月日は、今思えば長いようであり短い期間でした。
四年目が過ぎたあたりから、彼女は結婚を口にするようになりました。
付き合い始めた当初から、私も将来は結婚しようと言っておりましたし、いつかは結婚するものと思ってはいたのです。
しかし、当時の私は大学を卒業したばかりで、就職難民と呼ばれる身でした。
我が身一つの未来も見えず、どうして結婚などできましょう。
彼女は自分も働くからと申しておりましたが、男の我が侭。
彼女と、いずれ出来るだろう子供を、私一人で養っていける自信が付くまでは、結婚するつもりにはなれません。
私の気持ちも分かって欲しいと何度も説得しましたが、互いの意見は食い違うばかりです。

愛しているから結婚したい、護りたいから待って欲しい。
皮肉なことに、それが別れる原因となりました。
愛を紡いだ口で互いを汚く罵りあい、彼女の二度と顔も見たく無いという捨て台詞で、二人の関係は終わったのです。

それから半年ほど経った時です。
彼女から電話がありました。
やりなおしたいと、忘れられない愛していると、泣きながら訴えるのです。
しかし、薄情と思われるかもしれませんが、最後の大喧嘩で私の気持ちはすっかり覚めていました。
寄りを戻すつもりは無いと告げて電話を切りました。
三日後に再び着信がありました。
今度は、会って欲しいと言うのです。
会って話せば寄りが戻ると思っているのでしょう。

優柔不断で流されやすい私は、付き合っていた頃は彼女に決断を任せていました。
そんな私の性質を知っているからこその誘いなのです。
もちろん断りました。
次の電話は二日後でした。
三度目ともなるとウンザリしてきます。
着信表示を見るのさえ嫌な気分で、クッションの下に携帯を押し込んで居留守を使うことにしました。
設定通りに20コールで切れたかと思うと、またすぐに掛かってきます。
何度も何度も何度も何度も・・・
耐え兼ねて出る決心をして携帯の画面を見ると、履歴は30を越えていました。
ここまで来るとイヤガラセとしか思えません。
ひとつ説教でもしてやろうと、受話ボタンを押した時です。
『なんで出ないのよ!!!!』

耳に当てなくとも聞こえるような絶叫でした。
情けない話ですが、私の怒りは彼女の声で萎んでしまいました。
怒りを鎮めなければ、それだけを考えました。
フと思いついた嘘を口にします。
携帯を忘れて出かけて今帰ってきた所である。
そして出来るだけ優しい声で、どうしたのか訊ねました。
ククク・・・という押し殺した声に、泣いているのかと思いましたが違ったのです。
彼女はケラケラと笑い出しました。
『そこから自販機見えたよね。今も見える?』
私の部屋から数十メートル離れた先に自販機があります。
何を言っているのだろうと眺めて、手から携帯が滑り落ちました。
彼女が鬼の形相で涙を流しながら笑っていました。
付き合っていた五年の歳月の中でも、一度も見た事がない顔です。

いや、一度でも見たら即座に別れを決めていたと思えるような恐ろしい顔でした。
その夜は恐怖で一睡も出来ませんでした。
朝日が部屋に差し込むのを感じて、救われたような気持ちになりました。
清々しい空気と明るい日差しがそう思わせるのでしょう。
薄くカーテンを開けて自販機を見ると、もう彼女はいませんでした。
ほっとして勢いよくカーテンを開けました。
窓の真向かい、細い路地の電柱にもたれるようにして彼女は座り込んで、窓を見上げていました。
私を見つめて微笑みます。
おはよう、と口が動くのが見えました。
開けた時と同じ勢いでカーテンを閉めました。
面倒な事になった。溜息を付かずにはいられません。
気付かれないように外を見ると、彼女は座り込んだままコチラを見上げていました。

うちには1週間ほどの食料の貯えがあります。
彼女だって飲まず食わずで、トイレにも行かずにいる訳にはいかないでしょう。
隙をみて部屋を出て、当分友達の家を回る計画を立てて、荷物を纏めました。
しかし、彼女は動きません。
もしかしたら、丁度私が覗いていない時に用を済ませているのかもしれませんが、見ている間はずっとそこに居ました。
4日目の夜。
彼女の姿がありませんでした。
私は嬉々として部屋を出ようとドアを見て背筋が凍りました。
新聞受けが奇妙な形で開いています。
造りが新聞を受け取る程度にしか開かなかったのが幸いです。
90度開くタイプだったら、私はそこに彼女の目を見ていたでしょう。
もっと開けようと指がもがくのも見えました。

「ねえ、入れてよ。話をしようよ。あんなに愛し合ったじゃない。もう一度話をしようよ」
脳裏に浮かんだのは、長年見てきた笑顔ではなく、先日の恐ろしい形相です。
私は布団を頭から被り、みっとも無いほど震えていました。
それでも何時しか眠ってしまったようです。
恐る恐る布団から顔を出して、音を立てないようにドアの様子を伺いました。
新聞受けから赤い筋がいくつも垂れていました。
カタン、と鉄の板が小さく開いて、何かが投げ込まれました。
赤い筋がひとつ増えます。
それが何なのか理解できると同時に、警察に電話を入れました。
肉片でした。
彼女は小さくなって部屋に入って来るつもりなのです。
ほどなくして部屋の外が騒がしくなり、男性の「救急車!」という叫び声が聞こえました。

サイレンの音が聞こえて騒がしさが増し、少しして「開けて下さい」という男性の声に扉を開けました。
本当は開けたくありませんでしたが、男性は警察でしょうから仕方がなかったのです。
私の部屋のドアも床も真っ赤になっていました。
彼女の姿はありません。
既に救急車に運ばれていて、警察の方の配慮で会わないようにしてくれたようです。
発見した時、彼女は自分の指を食いちぎっていたそうです。
部屋はすぐに引き払いました。
新しい住まいは、新聞や郵便物が、建物の入り口にあるポストに入れるようになっている所を選びました。
引っ越した当初は、カーテンを開けるたびに嫌な汗をかいたものです。
あの事件から数ヵ月後、彼女が自殺したと風の便りで聞きました。

ほっとしました。
悪いとは思いましたが、安堵の気持ちが強かったのです。
いつしか私の気持ちも落ち着き、暫くして新しい彼女ができました。
その頃からです。
カタン、ぽとん、カタン。
不規則な音が聞こえるようになりました。
音は玄関の扉の方からします。
カタン、ぽとん、カタン。
別な所に越しても音は付いてきます。
ノイローゼ気味になり、彼女とは別れました。
そうすると音が止んだのです。
また時間が経って、あれは気のせいだと思い始めた頃に、女性と付き合う事になりました。
カタン、ぽとん、カタン。
カタン、ぽとん、カタン。
私は今ひとりです。
結婚は一生できないでしょう。
いや・・・厳密に言えば、私は一生一人になる事ができなくなったのです。
彼女が扉の前で、自分を小さくし続けているのですから。

文字数:7008字
推定読了時間:14分前後
恐怖指数:★★★★☆

原著作者:2009/09/18 19:31 匿名さん「怖い話投稿:ホラーテラー」
生まれは都市圏だけど、まだ緑が多かったころなので遊び場には事欠かなかった。
家の近くに大きな空き地があって、毎年盆踊りをそこでやっていたのを覚えてる。
その空き地が潰されて大きな工場が出来たときに、自分の遊び場所がなくなってすごく悲しい思いをした。
そんな頃の話。
小学校の頃はやんちゃだった。
いつも悪戯ばかりして怒られている様な。
そんな俺と同じようにやんちゃなNとY。
3人で遊んでいれば何でも出来そうな気がしたもんだよ。
夏休みのある日、自転車で川を遡って行って水のきれいなところで川遊びをしようってことになったんだ。
朝から自分たちでおにぎり作って、水筒に麦茶詰めて、リュックを担いで、一生懸命自転車を漕いでさ。

そういったちょっとした冒険旅行みたいなことは誰でもするだろ?
俺たちもそう。
それで朝早くから3人集合して川を遡ったんだ。
もちろん川原を遡っていくのは無理だから川に沿った道を延々と。
時には迷いながら2時間ぐらい遡った山のふもとで、ちょっと休憩しようってなったんだ。
もちろんそこは知らない町でさ、電柱には五木町って書いてあった。
面白いのは同じ色の青い屋根、同じ大きさの家がいっぱい並んでたのをよく覚えてる。
おかしいな?とも思ったんだが、それでも3人いれば楽しくって気にならなかったな。
自転車を川沿いの道の端に寄せて止めてから俺たちは川原に降りた。
天気は少し曇ってたけど蒸し暑いうえに自転車漕いでたせいもあって汗でベタベタ。

一刻も早く川の中で体を冷やしたいって思って川の方へ向かったんだけど、
そこにはその町の住民らしき人が20人くらい、大人も子供も集まってなんかやってるんだ。
一言も話しをせずに黙々と作業をしてる感じ。
大人も子供も。
老若男女を問わず。
土を掘ってるように見えて、何となく異様な光景に思わず俺たちの足は止まってしまった。
そして示し合わせたかのように一斉にこっちに向けられる数十の瞳。
今でもハッキリ覚えてる。
その瞳にはこう、なんて言ったらいいのかな?生気的な物が無くって虚ろな感じだった。
そう思ったか思ってないかのところで、その集団の中から小さな女の子の声で「…のおにいさんが来たね」って聞こえた。
その瞬間、ホントに瞬く間に今まで生気が無かったのにすごく優しい顔になって話しかけてきたんだ。

「どっから来たんだ?」とか「3人だけで来たのか?そりゃすごい!」とか。
オレとNはそのギャップが怖くなってあまりしゃべる事が出来なかったんだけど、人見知りをしないYはいつの間にか溶け込んで笑いながら話しをしてる。
周りの住人もニコニコしてるし、俺たちに疲れただろ?とか言いながら、紙コップに入れたお茶とかお菓子とか出してくれる。
最初は警戒していた俺もNも段々慣れて来てお茶やお菓子をもらっていろんな話をした。
今日はこの町でお祭りがあるからよかったら参加していきなさいとか言われて喜んでたっけな。
その後、町の子供たちと川遊びをして遊んだ。
魚を捕まえたり水風船もって追いかけっこしたり。
この町のみんな人懐っこくてトイレに行くにも必ず誰かがついてくる。

だから一人ぼっちになる事が無くて楽しく遊べたんだ。
夕方になったのでそろそろ帰らないといけないと3人で相談してたら住人のおじさんが、今日はお祭りがあるから遊んでいきなさい。
自転車と君たちは車で送ってあげるからと言われて、3人でどうしよう?と悩んだ挙句その提案を受ける事にした。
遊びの途中で帰るなんてその頃考えられなかったし、いつも遅くなって親に怒られていて、慣れていたってのもある。
それを伝えると目をまん丸にして「そうかそうか」って喜んでくれた上に、
「他のみんな(この町の子供)は法被に着替えてるから君たちも着替えるといい」
と赤い法被を3つ手渡された。
Tシャツの上から法被を羽織るとおじさんは、
「よく似合ってるよ。やっぱ主役はこうでなきゃ」
って褒めてくれたんだ。

その後おじさんに連れられて、町の人でごった返した祭りの会場に連れて行ってもらったんだ。
会場は所狭しと出店が並んでいて、普通であれば真ん中には櫓が組まれているはずなのに、それは無く、ひな壇みたいなものがあってその上で太鼓と笛が小気味良い音を奏でてる。
そのひな壇の近くにお神輿が大小二つあって大きいほうは15人くらいで持つ奴で、小さいほうはその気になれば一人でも担げるようなミニ神輿だった。
なんだあれはと思っていると法被を来た子供たちが、どこからともなくわらわらと俺たちの周りによってきた。
総勢で20人くらいいたのかな?
高学年の子も低学年の子もいてみんなニコニコしてるんだけどみんな法被の色は紺色だった。
「俺達と法被の色が違うね?」
というと高学年ポイ子に
「おにいさんだからだよ!」

と言われた。
俺より高学年ポイけど違うのかなって思ったんだけど、まぁいいやって思って、子供みんなで遊んでた。
出店に行くとお金はいらんからって何でもくれる気前のよさ。
俺たちも他の子供もわたあめ食べたり、射的したりで存分に遊ばしてもらった。
大人はというと遠巻きに子供たちを眺めながら酒を飲んでいる。
しばらく遊んで、頃合いとみたのかさっきのおじさんが中央のひな壇の上で大きな声でしゃべり始めた。
一斉に止む笛の音や太鼓の音。
「それではおにいさん祭りを開催します!!」
という声と共に歓喜の声。
大人も子供も。
俺たちも訳も判らずはしゃいでる。
子供たちは全員がそのおじさんに連れられてさっきの神輿があったところに。

町の子供たちはあらかじめ場所が決められていたかのように大きな神輿の回りに順序良く整列した。
この神輿はスゴくキラキラしていて装飾がすごい。
もちろん子供が持てる大きさなので、テレビなんかで大人が担ぐ神輿に比べれば、たいしたことはないが、一見して豪華だということは子供ながらにも判った。
俺たち三人はどうすればいいのか判らないのでマゴマゴしているとさっきのおじさんがやってきて
「ほら、君たち三人はこの小さい方を担いでね」
と大きい神輿のすぐ近くにある小さい神輿を指差した。
近寄って見てみると、こまごまとした装飾に屋根の上には、
炎のような飾りがついていて昔はきれいだったのだろうが、今はだいぶ汚れている。

泥汚れ?らしきものもあり”おじさん”を振り返ると
「この前の祭りで落としちゃって少し汚れてるけど、大丈夫だよ」
と笑顔で言われ、「なぁんだ」と安心したのを覚えてる。
配置は俺が進行方向で言えば前で担ぐ事になり、Yが左でNが右だった。
すると”おじさん”がまた大きな声で
「それでは神輿を担いでくださ~い」
と大きな声で指示を出すと大きな神輿はエイッという掛け声と共に子供たちの肩に担がれた。
それを見た俺たちも掛け声を入れつつ小さな神輿を担ぐ。
いや、担ごうとした。
その瞬間、見た目と違う重さにビックリして神輿を落としそうになった。
あわてて駆け寄る”おじさん”が支えてくれて落とさずに済んだが、尋常でない重さだ。

”おじさん”の方をチラッとみると
「ホラホラ頑張って。周りを5周くらいするだけだからね」
とやさしく言われたので頑張ってみる事にした。
両肩が神輿の重さで軋むが歩けないほどじゃない。
ソロソロとゆっくりではあるが3人で時計回りに歩き出した。
それと同時に笛と太鼓の楽しそうな音色が始まる。
いつの間にか大人たちが近寄ってきていて「ほらほら、頑張って~!」とか応援してくれる。
最初は重さのあまりおっかなびっくりだったが少し慣れてきたのか、歩く速度より少し遅いくらいのスピードになっていた。
このときで半周くらいだったかな。
もう少しで1周というところで突然後ろから「ドン」っと押される感じがあった。

よたよたと千鳥足になったが何とかこらえることができた。
何があったのかと後ろを振り返ると真後ろに大きな神輿を担いだ子供たちがニヤニヤしながら立っていた。
どうも大きな神輿が俺たちの神輿に追突したみたいだった。
一番先頭の子供が「ごめんね~」と謝ってきたので「大丈夫」とだけ返してまた歩き始めた。
ようやく1周。
これをあと4週か、と思い少し息を入れたところでまたもや「ドン」ときた。
同じようによろめく俺達と神輿。
後ろを向くとやっぱり大きな神輿の子供たちがニヤニヤしている。
一番先頭の子供が「ごめんね~」とまた謝ってきた。
あまり口をきく余裕がないほど重いので軽く頷きまた歩き始める。

いつの間にか大人たちは近すぎるほど傍によってきており、手を伸ばせば触れられるほどの距離だ。
みんな口々に「頑張れ」とか「もう少し」とか応援している。
その応援を支えに歩こうと数歩行った所で、今までにはないくらい激しい「ドン」がきた。
思わず神輿から手を離してしまい、地面に手を突く。
神輿が落ちると思い上を見上げると傍まで寄った大人たちが、落ちないように支えててくれたようで神輿は宙に浮かんでいる。
別の大人の手が俺を起こし神輿のところに立たせると、神輿を支えていてくれた手が無くなり神輿が両肩に食い込む。
後ろを見る余裕もないが耳には
「遅いからさぁ、ぶつかっちゃうんだよねぇ」
という声が聞こえてくる。
一瞬ムカついたが今は早くこの神輿を下ろしたい一心だったので、また歩き始めようとしたその瞬間を狙って「ドン」とやられた。

同じようにつんのめり、両手が地面に付きそうになったところで大人の手に支えられる。
神輿も宙に浮いている。
また起こされて神輿を担ぐ。
またすぐに「ドン」
また転びそうになると大人の手が支え…
また神輿を担ぐ…
明らかに異常だ。
周りの声も「頑張れ」とかいう応援じゃなく「早く立て」とか「早く歩け」などの怒声に変わってきている。
半分泣きそうになりながら神輿を担ぐ3人。
周りの大人の中には竹を縱に裂いた竹刀のようなものでケツのあたりを叩いてくる人までいる。
もう嫌だと思って逃げようとしても周りの大人によって引き摺られて戻される。
おかしい。
何かおかしい。

そう思い、ふと近くにいた大人の顔を見てびっくりした。
すでに笑顔ではなかった。
まるで敵を見るかのような目で俺たち3人を睨みつけていた。
周りの他の大人たちも同じだった。
皆が皆すごい形相で睨んでいる。
子供心にこれはまずいと思い、何とか逃げ出そうと考えるが、それを見越したように後ろから「ドン」とやられてまた転んでしまった。
荒々しい手に立たされ、無理矢理神輿を担がされる。
そのわずかな間で周りを見渡すと俺たち3人の神輿の周りに大人が群がっている。
進行方向の右手にいつもひな壇があるので大人は少なめだ。
大人のほとんどは左手と正面に集まっている。
真後ろには大きな神輿が迫っている。
神輿を担がされる前にYとNの顔を見た。
眼が合った。

軽く頷くと神輿を担がされて大人たちの手が無くなった瞬間に右側に神輿をわざと倒した。
よろけて倒れたと思った大人が手を出して神輿を支えようとする。
俺たち三人はその隙を見てひな壇の方に駆け出した。
後ろからは大人の声で「捕まえろ」という叫び声が上がっていたが、その頃には一心不乱に笛や太鼓の音を鳴らす大人の脇をすり抜けていた。
闇雲に走って川沿いの道まで来るとそのままの勢いで下流に向かって走り出した。
どのくらい走ったか判らないが、息が切れるまで走り続けて、もう走れないところまで走ったところで、後ろを振り返ると、懐中電灯の光らしきものが10個以上見える。
その光景に寒気を感じて3人で無理矢理走り出した。
少し走るともう息は続かない。
もう走れないと思ったときに目の前に自分たちの自転車が見えた。

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