──どうしても痛む、子どもの頃に負った古傷

それにも増して頭がどんどん痛くなる。

私は殺風景な一室に来ていた。

警察が話しかけるが、ぼうっと適当に答えた。

前から、誕生日くらい一緒に居てほしいと思っていた。

二人にもそのことは言っていた。

昨日も断られた。

だけど本当は、驚かせようとして断っていたのだ……。

今朝も、いつも通り支度をしていた。

父も母も私も。

しかし二人の支度は演技だったのだ。

私は両親から愛されていたのだ。

私は警察から開放され、親戚の家に住むことになった。

布団の中でも考える。

私は気付いていた。

悲しさの中にある満足感。

この日は初めて二つの夢がかなったからだ。

一つは、誕生日に両親が"働きに行かず"に"家に居た"こと。

もう一つは…………


──うずくのは、小さい頃に受けた虐待の古傷だ

出典意味が分かると怖い話【解説つき】 - 古傷が痛む

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