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運動不足、心理的ストレス、雄性不稔…精子の数が減っている原因とは?

日本のみならず先進国で問題となっている少子化。その原因には経済的理由や不妊症など複数の原因が重なって出産率低下となっているわけです。なかでも不妊症の原因になっているのが精子の数の現象です。ある調査では人の精子が40年間で半分になったという報告があります。なぜこれほど数が減っているのでしょう?

更新日: 2019年09月25日

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egawomsieteさん

■ヒトの精子が40年間で半分になった

2017年に、海外から興味深い論文が発表されました。欧米人男性の精液を1973年から2011年まで約40年間調査した結果、精子濃度が52.4%、総精子数が59.3%減少したというのです。

このデータにはアジア人の精液検査データは含まれていないのですが、日本人も同様のトレンドをたどっている可能性があると考えられます。

精子の減少は、男性不妊症や出産率低下の直接の原因となりえます。

日本男性の精子は最低レベル!?

欧米よりもさらに心配なのが日本。精子の数を欧州4か国と比べたところ、なんと最低レベルだったことが分かったのだ。

■不妊の約半数は男性側に原因がある

1998年にWHO(世界保健機構)が発表したデータでは、不妊のカップルのうち、その原因が「女性のみ」にある場合が41%、「男性のみ」にある場合が24%、「男女両方」にある場合が24%とされています。

男女どちらにも原因があるケースも含めれば、不妊原因の約半数は男性側にあることになります。ただし、上記のデータは少し古いものなので、現在では、不妊に悩む男性の割合はさらに増えているかもしれません。

・TDS(精巣形成不全症候群)

Testicular Dysgenesis Syndrome(精巣形成不全症候群)のことを指し、患者は現在急速に増えているというデータがあります。私は、TDSは人類の将来に大きな影響を与える可能性があると考えています。

TDSとは、男性不妊症、精巣がん、停留精巣、尿道下裂といった病気を含んだ「精巣の機能が悪化し、男性ホルモンが低下することによって引き起こされる一連の症候群」のことを言います。

ちなみに、「精巣がん」は若年男性に多い精巣にできるがんで、転移しやすいことで知られています。また、「停留精巣」は精巣が陰嚢の中に降りてこないで下腹部に止まってしまっている状態を指し、「尿道下裂」は尿の出口である尿道がペニスの先端で開口するのではなく、ペニスの根元で開口してしまう生まれつきの病気です。

それぞれ、胎児期の男性ホルモンが深く関わっていることがわかっています。これらの病気は、手術が必要となります。

■精子の質の低下を引き起こしている原因

現代人の座りがちで適度な運動を欠いた生活や、脂肪分の多いジャンクフードの影響が大きいとのことだ。

また、プラスチック製品のポリカーボネートやエポキシ樹脂などの原料であるBPA(ビスフェノールA)も精子へ悪影響があることが知られている。

・ジャンクフード

ハンバーガーやピザなど脂肪分の多い欧米型の食品ばかり食べている男性は、魚や野菜を中心とする健康的な食生活をしている男性に比べて、精子の数が平均で2560万個少ないという調査結果を、米ハーバード大学の研究チームがこのほど発表した。

1ミリリットル当たりの精子の数が1500万個を下回る男性、または1回の射精に含まれる量が3900万個に満たない男性は精子が少ないと診断される。男性の精子が少なければ、パートナーの不妊の原因になることもある。

今回の研究は、オーストリアのウィーンでこのほど開かれた欧州生殖・胎生学会の年次総会で発表された。「欧米諸国ではこの数十年間で、精子の数が減り続けている」と研究チームは指摘する。北米と欧州、オーストラリア、ニュージーランドの男性の精子の数は、2011年までの40年の間に59%減ったという報告もある。

・きつい下着やタイトなパンツの着用が、精子の数に大きな影響を与える

雑誌Human Reproductionでの発表によると、精子の数の少ない男性と多い男性900人を対象に調べてみたところ、ドラッグ、タバコ、飲酒、太りすぎは、精子の減少への影響は少なかったのに比べ、きつい下着やタイトなパンツの着用が、精子の数に大きな影響をあたえている事が分かったそうです。

・喫煙

喫煙は、健康な男性および不妊の男性において、精液の量、精子の密度、精子数、精子の運動性、精子形態という全ての精子パラメーターを悪化させる可能性が示されました。

・心理的ストレスによって「精子の質」が低下する?

2010年に「Fertility and Sterility」にて発表された研究で、心理的ストレスと精子の質の関連を調べたものがあります。この研究では米国の5つの都市にある出産前診療所にて、妊娠中の女性のパートナー(774名)を対象として、精子密度、精子の運動性、精子形態、正常精液の基準値( WHOの基準による)を評価しました。

その結果、最近に2つ以上のストレス生活事象を抱えた男性は、ストレス生活事象を1以下しか抱えていない男性と比較して、精子密度、精子の運動性、精子形態などの基準によって決定されるWHOの正常精液基準値の「正常」を下回る可能性が高まることがわかりました。

このようにストレスに暴露される度合いによっても、精子の質が変わってくることが明らかになっているのです。

なぜストレスが

なぜ心理的ストレスは精子の質の低下に影響を及ぼすのでしょうか。その理由は心理的ストレスが「内分泌系」の機能に影響を与えるためだと考えられています。

心理的ストレスによる負荷が大きくなると、体の内分泌系の機能に異常をきたし、下垂体からのテストステロンの分泌が低下することがわかっています。これは男性の更年期の発症メカニズムと同様です。

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