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区別が難しいが異なる病気!老人性うつと認知症の違いは?

高齢者の多く見られる症状として挙げられる老人性うつと認知症ですが、似た症状も多く間違えやすいようです。これはどちらにも抑うつ気分があり、認知症の初期症状に記憶障害が目立たないためで間違いやすいようです。いずれも高齢者には年相応の症状としてありがちですが、全く別の病気なのです。

更新日: 2019年10月21日

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egawomsieteさん

■ 老年期のうつ病と、認知症は区別が難しい

うつ病の主な症状は、抑うつ気分と興味・喜びの喪失(好きだったことが楽しめない)です。 その他の症状としては、 ・食欲がない ・眠れない ・集中力がない ・疲労感を常に感じる といったものがあり、これらの症状が2週間以上続くようであればうつ病と診断される場合があります。

一方で、認知症の症状のひとつに抑うつ気分があります。そのため、初期の認知症で、記憶障害が目立たず、抑うつ気分が症状の主体である場合、うつ病と間違えられる場合もあります。 認知症の症状は、 ・新しい事象が覚えられない ・集中力がない ・判断力の低下 ・忘れた自覚がない これらの症状が徐々に進行していく病気です。 このように、うつ病と認知症は似ている点があるものの、全く異なる病気なのです。

■認知症や老化に間違われやすい“うつ”の症状

一般的にうつは、悲観的になり、意欲が低下し、不眠になって心身ともにつらくなる。

 高齢者の場合、これら典型的な症状以外に、一見うつとは無関係のような症状が出ることも多いという。特に多いのは記憶力の低下。年齢的に認知症と間違われやすいのだ。

「認知症は高齢者に多い病気ですが、70代では、うつが認知症と同じくらいか、若干多いくらいの頻度です。

それなのに70代でもの忘れがあると、今時はみんな認知症だと思ってしまう。着替えや入浴を億劫がり、身なりにも気を使わなくなったりもするので、ますます認知症だと思い込むのです」

 また食欲不振や不眠はどの年代のうつにも多い症状だが、高齢者の場合はうつと気づかれにくいという。いずれも高齢者には、年相応の症状としてよくありがちだからだ。

「痛みに敏感になり、腰痛や頭痛、息苦しいなどと訴えることもあります。整形外科や内科で検査を受けても、異常は見つからず、結局、見過ごされる。ところが、幸運にもうつが判明して治療薬をのむと、痛みなどがうそのように治るといったケースも少なくありません」

・生じる原因の違いだけ?

認知症とうつ病の間には、日常生活の支障の生じる主な原因が、認知機能障害なのか抑うつ症状なのかの違いしかありません。そして"認知機能障害"も"うつ症状"も、ちょっと難しく分かりにくい言葉です。

これは、"もの忘れ"や"気分の落ち込み"が誰にでもあることから、医学的に"病気"と診断するためには厳密な定義を必要とするからです。

・初期症状の違い

高齢者のうつ病の場合、発病に際して何らかのきっかけを認めることが比較的多くあります。初期の症状では、不眠や食欲低下、あるいは体調不良が目立ちます。

一方、「認知症」では、物忘れなどの記憶障害が目立ちます。うつ病でも集中力が低下し、物事を覚えられなくなってしまうことがありますが、うつ病ではそのことに悩むことが多いのに対し、認知症では物忘れを否定する傾向が多くみられます。

・症状の進行速度

認知症は徐々に進行するため、発病になかなか気が付かないケースが多いのに対し、老人性うつの場合は比較的短い期間に複数の症状が現れるため、周囲が「あれ、最近様子がおかしいな」と気付きやすいという特徴があります。

症状の進行ではうつ病の場合、大きなストレスなどをきっかけに、数週間から数か月単位で進行することが多いのですが、認知症、とくにアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の場合は、数年間かけてゆっくり進行します。

これらの病気では、脳内の変性(病的な変化)がゆっくり生じることで、病気の症状が進行するためです。

・記憶障害(物忘れ)の有無

記憶障害は認知症と老人性うつの両方にみられる症状ですが、症状の現れ方に違いがあります。
認知症の場合、最初は軽度の記憶障害から始まり、徐々に重くなっていきます。例えば、昨日の晩御飯のメニューを思い出せない症状を物忘れといいますが、認知症患者は晩御飯を食べたこと自体を忘れてしまうのが特徴です。そのため、自身の記憶障害に不安や焦燥感を覚えることはありません。

一方、老人性うつのケースでは、あるとき突然数日前のことを思い出せなくなり、それによって本人の不安が高まっていく傾向があります。

・記憶障害のあるなし

認知症の方に多い“記憶障害”ですが、 老人性うつ病では起こりません。

ただし、何かを聞かれたときに深く考えずに「わからない」と答えてしまうため、 判断が付きにくいことがあります。

・急な発症

徐々に症状が進行する認知症とは違い、 老人性うつ病は急に症状が現れたり、 時間帯によって症状が強く出ることなどがあります。

■うちは治療できる…が放置すれば認知症リスクも

脳に原因があり、症状もよく似たうつと認知症だが、根本的にはまったく違う病気だ。

「うつの主な原因は、セロトニンと呼ばれる脳内の神経伝達物質が減ること。悲しい出来事やストレスなど、心理的要因がきっかけになることは多いのですが、きっかけがなくても発症します」

セロトニンは、快楽・喜びに関係するドーパミン、覚醒や意欲、記憶に関係するノルアドレナリンなどをコントロールして、精神を安定させる働きがある。別名“幸せホルモン”などとも呼ばれている。

「セロトニンは、高齢になるほど減る傾向にあります。また高齢者は、子供の独立、配偶者や親しい人との死別など、インパクトの強いストレスや悲しみと向き合う機会も多い。病気にまで至るか、どんな症状が際立つかは個人差もありますが、基本的に高齢者はうつになりやすいのです」

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