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発症したら最期!遺伝性の不眠症について【世界の奇病雑学】

不眠で悩んでいる方も多いかと思いますが、世の中には死に至る遺伝性の不眠症というのもあるそうです。世にも珍しい致死性の不眠症とその原因についてまとめました。

更新日: 2019年12月10日

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この記事は私がまとめました

mtmまとめさん

なかなか眠れず困ってる方、多いと思いますが……

その名も致死性家族性不眠症(通称:FFI)

致死性家族性不眠症(ちしせいかぞくせいふみんしょう、Fatal Familial Insomnia:FFI)は、幻覚、重度の進行性不眠症、頻脈等の症状に続き、全身の不随意運動と認知症を主徴とする中枢神経の変性疾患。治療法は現在のところ見つかっておらず、発症後の余命は多くの場合約2年以内。

発症した人は、その後は二度と安眠することができません。
睡眠による休息が得られないことで次第に体も脳も壊れていき、運動障害や認知症を起こしながら数年で衰弱死してしまう恐ろしい病気です。

さらにこの病気は遺伝性があり、親から子へと受け継がれる可能性があります。
元々この病気は、イタリアのとある家系に若くして亡くなった人が代々多く、しかも全員の症状が似ていたことから発見されました。

この病気の原因は?

タンパク質とは生き物の体を作っている物質の一つです。実は五万から十万種類もあると言われ、体の部位によって使い分けられています。
そんなタンパク質ですが、もし形の崩れた欠陥品が作られてしまうと、生命をちゃんと維持することができません。
脳内に異常な形のタンパク質が増えてしまうことで、次第に脳の機能が失われていき、この病気が発症するようです。

正常なプリオンタンパク質は、心臓といった臓器や脳など、全身のいたるところに存在します。
ところが一部の人は遺伝子上のプリオンの設計図に突然変異が起きており、正常なプリオンに混じって形が崩れた異常プリオンが作られてしまいます。
この異常プリオンの恐しいところは、周りにある正常プリオンを自分と同じ異常プリオンへと変えてしまうところです。
そのため異常プリオンがほんの少しでも体内に入ってしまうと、徐々に体内の正常プリオンが異常なものに変わっていき、特にプリオンの多い脳が真っ先に壊れてしまうのです。

イタリアの家系で見出され、日本ではごく少数の家系に見出されるのみである。

検査するには遺伝子を見てもらう必要がありますが、日本では稀な病気だと言われています。

異常プリオンが原因の病気は他にも!

異常プリオンが入ってくることで発症する病気は、この不眠症だけではありません。
私たちも一度はニュースなどで聞いたことのあるとある病気も、異常プリオンが原因だと言われています。

異常プリオンによる他の病気1:狂牛病

プリオンを持つのは人間だけではありません。
多くの哺乳類の体内に存在していますし、当然人間以外も突然変異で異常プリオンを持ってしまうことがあります。
脳内に異常プリオンが蓄積して脳が壊れてしまうのも、私たち人間に限らず他の動物でも起こりうる病気です。

肉骨粉は「屑肉、脳、脊髄、骨、内臓、血液等を加熱処理の上、油脂を除いて乾燥、細かく砕いて粉末としたもの」です。
普通は肥料にするのですが、かつては牛の成長をよくするために餌に混ぜたりもしていました。
ところが異常プリオンは熱や乾燥に強く、こんな状態でも残っています。
そして異常プリオンを含んだ餌を食べた牛の体内でも、どんどん異常プリオンが増えていきます。

狂牛病に感染した牛肉を食べてしまうと、私たちも……

異常プリオンは、普通の雑菌やウィルスによる病気のようにすぐ症状が出ることはありません。
体内の正常プリオンが、少しずつ異常プリオンに変わっていきます。
そして何年も経って症状が出る頃には、既に脳が壊されてボロボロのスポンジ状になってしまっているのです。
「狂牛病」と呼ばれていますが、牛に限らず人間でも猫などのペットでも、異常プリオンを含んだ肉を食べてしまえば発症する可能性があります。

異常プリオンを消毒するには、焼き尽すしかない

プリオンは通常の細菌やウィルスなら完全に死滅するはずの、240度での乾熱滅菌という操作でさえ感染力は消滅しませんでした。アルコールやフェノールなどの消毒薬、タンパクを分解する消化酵素、さらにはどんなタンパクでも変性させてしまうホルマリンで処理してさえ病原性は消えないのです。残る方法は塩素漂白か、でなければ焼却のみ。

かつてニュースで狂牛病・BSEが話題になっていたのを覚えている方は、日本中で大袈裟なほどの騒動になっていた印象もあるかと思います。
ですがこれほど恐しい毒物で、しかも不治の病だと知ってみれば、日本中を巻き込んだ大騒動になるのも頷けるのではないでしょうか。

異常プリオンによる他の病気2:クールー病

クールーはフォレ族の言語であるフォレ語で「恐怖に震える」を意味する言葉に由来するが、kúru自体は〈震え〉を意味する。これは、典型的な症状である身体の震えに由来するが、フォレ族ではこの他に罹患者が病的な笑いを見せることから「笑い病」としても知られている。

パプアニューギニアの高地に住むフォア族では、かつて死者の魂をなぐさめ弔う儀式として死者の人肉を食べる慣習がありました。フォア族では死者の肉体は男性が、死者の脳や内臓は女性や子どもが食べる習わしだったとのこと。

死んだ人の体内に異常プリオンが存在していた場合、その肉を食べた人も異常プリオンに感染してしまいます。
死者の脳や内臓を食べていたフォレ族の女性の間では、異常プリオンによって脳が破壊されるクールー病がしばしば流行したようです。

ところが最近の研究で新事実が

しかし人肉食の習慣は、1つ良い効果をもたらしていた。フォレ族の多くが、クールー病やCJDに抵抗力を持つとみられる遺伝子変異をもっていたのだ。

「これはダーウィンの進化論が人間で確認できる顕著な例だ。プリオンに感染することで、不治の認知症を予防する遺伝子変異が引き起こされた」と、コリンジは国営オーストラリア放送の取材に語っている。
 コリンジの研究チームは、遺伝子変異がプリオン病を防ぐメカニズムを引き続き研究している。プリオン病の治療法が見つかるかもしれない。

クールー病の流行によって淘汰が起きたことで、フォレ族の人には異常プリオンへの抵抗力が生まれていたのです。

人間は進化してないと思われがちですが、人間の文明の歴史である数千年という時間は、生命の歴史からみればほんの一瞬に過ぎません。
私たちが気付いてないというだけで、人間もちょっとずつ進化しているのかもしれませんね。

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