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これは必須!相続税申告をする時の基礎の基礎。

相続税申告をするにあたって、絶対に知っておきたい基礎中の基礎の知識を紹介します。

更新日: 2019年11月26日

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まとめにあたっては、弁護士や司法書士・税理士が運営しているHPはもちろん公的機関の情報も確認しつつまとめをしております。

相続税の申告期限は?

相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。

たとえば2月5日に亡くなったのであれば、12月5日が相続税の申告・納付期限になりますよ。

なお、申告期限日が土日祝に該当する場合には、これらの日の翌日が申告期限日になります。金曜日が申告期限だ!と慌てる必要はありません。

注意すべきは申告期限までに納付をしない場合には延滞税等の附帯税が課せられてしまう可能性があることです。

過少申告や無申告だった場合に、税額計算の基礎となる事実を隠蔽・仮想したときには加算税に変えて35%あるいは40%の附帯税が課せられることもあるので、申告義務がある場合には必ず申告するようにしましょう。

相続税の申告義務はどの程度相続財産を取得したら発生するの?

前提として相続税にはいわゆる基礎控除というものがあり、相続財産(課税価格)が基礎控除を下回る場合には相続税は発生しません。相続税が発生しない場合には申告する必要は原則としてありません。

基礎控除の金額は以下のとおりです。

基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)

たとえば、法定相続人が3人いたとしたら

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

までは相続税は発生しません。

○相続税の課税価格はどうやって算出するのか?

さきほど、「相続財産(課税価格)が基礎控除を下回る場合には相続税は発生しません。」と書きました。では、この相続税の課税価格はどうやって算出するのでしょうか?

算出方法は以下のとおりです。

課税価格=遺産の総額+みなし相続財産-非課税財産+相続時精算課税に係る贈与財産-債務・葬式費用+被相続人からの贈与財産

何やら、難しい言葉が沢山ありますね。

以下で詳しく解説していきましょう。

△遺産の総額とは?

遺産の総額には、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、建物、貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものが含まれます。

このとき、不動産や株式など現金以外の財産は、それぞれ定められた評価方法で価額を計算します。

遺産の総額とは一般的に考えて相続財産になるようなものと捉えてもらって構いません。

△みなし相続財産とは?

民法では相続財産に含まれないにもかかわらず、相続税法では相続財産とみなされる財産を「みなし相続財産」と言います。

みなし相続財産の代表的なものは生命保険金等と死亡退職金等です。

生命保険金等と死亡退職金等は被相続人が所有していたものではなく、被相続人が亡くなったことで相続人のものになった財産です。そのため、民法上の相続財産ではありませんが、生命保険金等と死亡退職金等を相続する際は相続税が課税されます。

みなし相続財産は一定額までは非課税となります。非課税になる一定額は以下の通りです。

生命保険金と死亡退職金の非課税限度枠
500万円×法定相続人の数 = 生命保険金非課税限度額
500万円×法定相続人の数 = 死亡退職金非課税限度額

 なお、相続人ではない方が、生命保険金、死亡退職金を取得する場合は非課税規定の適用はありませんので注意が必要ですし、死亡退職金に関しては死亡から3年以内に確定した死亡退職金に限ります。

ポイントは

「生命保険金非課税限度額」
「死亡退職金非課税限度額」

は、それぞれ別枠で設けられているという事。

たとえば

・生命保険金2,000万円
・死亡退職金1,500万円
・法定相続人3人

といった場合、

生命保険金:2,000万円-500万円×3=500万円
死亡退職金:1,500万円-500万円×3=0

となります。つまり、死亡退職金に関しては課税価格に合算されることなる終了。
一方で生命保険金は非課税限度額を超える500万円の部分が課税価格に算入されます。

なお、非課税限度額に余りがあったとしても他の相続財産から控除できないことに注意しましょう。

ここで知っておきたいのがみなし相続財産には非課税枠があるということです!

△非課税財産とは

相続税法第12条と措置法70条で、そもそも相続税の計算の対象としないものとして、下記のとおり定めています。

(1)<皇位とともに皇嗣が受けた物>


(2)<墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの>
・墓地・墓石、おたまやのようなもののほか、これらのものの尊厳の維持に要する土地その他の物件
・庭内神し、神棚、神体、神具、仏壇、位牌、仏像、仏具、礼拝道具、古墳など。

(3)<公共事業用財産>
(4)<心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権>
(5)<相続人の取得した生命保険金等のうち、一定額まで。>
(6)<相続人の取得した退職手当金等のうち、一定額まで。>
(7)<公共団体等への寄付したもの>
(8)<相続財産である金銭を申告期限までに特定公益信託に支出した場合におけるその金銭。>
(9)<災害により被害を受けた相続財産等>

(5)<相続人の取得した生命保険金等のうち、一定額まで。>
(6)<相続人の取得した退職手当金等のうち、一定額まで。>

については、さきほど説明した「みなし相続財産の非課税限度額」のことを指しますよ。

上記のようなものを相続財産に含めていた場合には、非課税財産ですので相続財産に含める必要はありません。

△相続時精算課税に係る贈与財産とは

「相続時精算課税制度」とは、60歳以上の祖父母や父母から20歳以上の子や孫へ贈与をする場合に2,500万円までの贈与であれば贈与税が非課税になる制度のことです。また2,500万円を超える金額を贈与した場合でも、2,500万円を超えた分に対して一律20%の贈与税ですみます。

しかしながら「相続時精算課税」という名称のとおり、贈与者が死亡して相続が発生した場合には本制度を利用して贈与した金額を全て故人の相続財産に加算して相続税を計算します。したがって、原則として相続税の節税対策にはなりません。

相続時精算課税制度は言わば税金の支払いを一定期間にわたって猶予・繰延が出来る制度です。

免税制度ではないため、相続時精算課税制度を利用して贈与した財産がある場合には、相続税の計算上、課税財産として含めて計算する必要があります。

なお、2,500万円を超えて贈与を受けた場合には超えた部分について20%の課税が行われますが、この20%の税金部分は相続税の計算上最終的に控除することが可能です。

△債務・葬式費用

債務や葬式費用は相続税の計算上相続財産から控除することが出来ます。

債務とは以下のようなものを言います。

債務控除の対象となる債務は具体的には下記のようなものになります。

・銀行などの金融機関からの借入金
・その他個人などからの借入金
・亡くなった後に支払う所得税、住民税、固定資産税などの公租公課
・病院に対する未払医療費
・水光熱費、電話代などの公共料金等の未払金(亡くなった人が使用していた期間に限る)
・賃貸不動産のテナントから預かっている敷金
・買掛金などの事業上の未払金

なお、亡くなった後に発生する「相続財産の名義変更費用」「相続税申告にかかる税理士報酬」「遺産分割交渉等にかかる弁護士報酬」などは債務控除出来ません。

葬式費用とは以下のようなもののことを指します。

葬式費用に該当するもの
相続の観点からみた葬式費用の解釈は「葬式をやるにあたり必ず発生するであろう費用」を指します。

つまり、葬式で絶対に必要なものは葬式費用に該当し、葬式に必要ないものは葬式費用に該当しないというイメージです。

またよく聞かれるのが「領収書は必要ですか?」というご質問ですが、基本的に領収書がなくとも支払った事実といつ・誰に支払ったかのメモがあれば葬式費用として債務控除可能です。

① 通夜、告別式に際し葬儀会社に支払った費用
② 通夜、告別式に係る飲食費用
③ 葬儀に関しお手伝いしてもらった人などへの心付け
④ お寺、神社、教会などへ支払ったお布施、戒名料、読経料など
⑤ 埋葬、火葬、納骨にかかった費用
⑥ 遺体の捜索、死体や遺骨の運搬費
⑦ 通夜や告別式当日に参列者に渡す会葬御礼費用

このようなものが葬式費用に該当するのですね。
なお、葬式に関係ないものは葬式費用には該当しないので注意が必要です(たとえば、香典返礼費用や墓碑・墓地代など)

△被相続人からの贈与財産

被相続人からの贈与財産とは相続税の計算上は「被相続人の生前3年以内に行われた贈与財産」のことを指します。

死ぬ間際に財産を移転して相続税を不当に安くするのを防ぐために、生前3年以内の贈与財産は相続財産に「加算」されます。

なお、よく110万円までの贈与には贈与税が課税されないと言われますが、「「被相続人の生前3年以内に行われた贈与財産」は贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算します。

1 加算する贈与財産の範囲
 被相続人から生前に贈与された財産のうち相続開始前3年以内に贈与されたものです。3年以内であれば贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算します。
 したがって、基礎控除額110万円以下の贈与財産や死亡した年に贈与されている財産の価額も加算することになります。

一方で、生前3年以内の贈与であっても、以下のような贈与財産については生前贈与加算の対象となりません。

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