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年末調整とは,基礎知識,年末調整の仕方などのまとめ

会社で給与計算を行っている担当者の方にとって、年末調整は今年最後の一大イベントのはず。今年の年末調整業務を始める前に、ぜひ参考にしてください。

更新日: 2019年12月16日

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jonjonpoさん

そもそも年末調整では何をするの?

従業員を雇用している事業所は、毎月、従業員の給料から源泉所得税を天引きし、預かった税金を納めています。つまり 従業員の所得税の先払いをしているのです。

源泉所得税を納めるということは、 個人事業主のように所得税を計算して、確定申告で後払いするのと正反対であることを意味します。

先払いをした従業員の源泉所得税と正確な所得税の差額を計算し、精算するのが年末調整です。「源泉所得税>正確な所得税」なら差額分を従業員へ返し、「源泉所得税<正確な所得税」なら差額分を従業員の給料から天引きします。

源泉所得税と正確な所得税の差額を従業員へ返すことを「還付」といい、給料から天引きすることを「追加徴収」といいます。

年末調整の対象となる人、ならない人

通常12月に行う年末調整は、年末まで勤務している全ての従業員が対象となりますので、正社員や派遣社員(2ヶ月以上の長期雇用の場合のみ)、アルバイト、パートタイム就業者も含みます。

派遣社員の場合は、派遣元の企業が実施します。

ただし、以下の条件に該当する従業員は、年末調整の対象になりません。

・年収が2,000万円以上ある場合
・災害被害による災害減免で所得税の支払い猶予や還付をすでに受けている場合
・副業等で2ヶ所以上からの収入があり、他の給与支払者が扶養控除等(異動)申告書を提出している場合
・非居住者の場合
・日雇い労働者など、継続して雇用していない場合

なお、以下の条件に該当した場合は、年の途中で行う年末調整の対象となります。

・海外勤務による非居住者となった場合
・企業在籍期間中に死亡し、退職となった場合
・心身障害などを理由に退職し、再就職が見込めない場合
・12月の給与を受け取った後に退職した場合
・パートとして働いている従業員が退職し、その年に受け取る給与総額が103万円以下の場合
(※ただし、他勤務先の給与と合計して103万円以上が見込める場合は除く)

年末調整ではダメ、確定申告が必要になるケース

税金が安くなる控除の中には、年末調整での計算が認められず、確定申告が必要な項目があります。具体的な項目は次のとおりです。

1.初めての住宅ローン控除
たとえば、マイホームをローンで購入した場合、初めて住宅ローン控除を受ける場合は確定申告が必要です。2回目以降の住宅ローン控除から年末調整で計算できます。
2.医療費控除
病院代や薬代が10万円を超える場合やOTC医薬品の購入費用が1万2,000円を超える場合は医療費控除が受けられ、税金が安くなる可能性があります。しかし、確定申告でしか計算することができません。
3.寄付金控除
ふるさと納税、国や地方公共団体への寄付をすれば税金は安くなります。しかし、ふるさと納税のワンストップ特例(5か所以内の自治体へふるさと納税をした場合の特例)により自治体が自動的に計算する場合を除き、確定申告が必要です。
4.雑損控除
盗難や災害などの被害額、シロアリ駆除や除雪費用など被害を防止する費用が一定額を超えると雑損控除により税金が安くなります。しかし、これらは確定申告でしか 計算することができません。なお、費用の一定額の目安は5万円です。

年末調整と確定申告は正確な所得税を計算するという点では共通しています。

しかし、自社の従業員すべてが年末調整の対象というわけではありません。自社給与がメインの収入源か否かなど、個々の事情によって異なります。

従業員は年末調整と確定申告の違いを知らない可能性があります。

よって、年末調整で計算できる項目、確定申告でしか計算できない項目について従業員に知らせる工夫が大切になります。

年末調整の基礎知識

年末調整とは
会社が給与を支払うときに、従業員の給与や賞与(ボーナス)から所得税を徴収することが「源泉徴収」です。

本来徴収すべき所得税の一年間の総額を再計算し、源泉徴収した合計額とあらためて比較することで、「過不足金額」を調整することが「年末調整」です。仮に余分に源泉徴収をしていた場合、その差額は従業員に還付される、という仕組みです。

過不足金が発生する理由
そもそも、なぜ「過不足金額」が発生するのでしょう。

なぜなら、毎月徴収していた額はあくまで概算であり、12月の年末調整で初めて金額が確定するから、というのが大きな理由のひとつです。また、年末までの1年間に給与金額の変更や転職、家族構成の変更などが生じた場合や、給与・賞与からの控除以外で社会保険料や各種保険料を支払っている場合にも、過不足金が発生することがあります。

2016年以降は本格的にマイナンバー記載が必要

2016(平成28)年以降の年末調整からは、対象となる従業員の「マイナンバー」(個人番号)の記載が必要となる書類があります。一定の場合をのぞき、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、給与所得者本人、控除対象配偶者及び控除対象扶養親族等のマイナンバーを書類に記載しなければなりません。

2019年の年末調整の変更点や注意点は?

2019年の年末調整では、これまでと大きな変更はありません。ただし、2020年度から制度の変更があるため、注意しておかなければならない点があります。

2020年(令和2年)から適用になる税制改正により、所得税に関して大きな変更があります。2020年の年末に行う年末調整からは、税額等の計算や必要書類の書式が変わることになります。

2019年までは基礎控除は一律38万円でしたが、2020年以降は基礎控除額が所得に応じて変わり、合計所得金額が2,400万円以下の人は48万円に引き上げになります。また、給与所得控除については所得区分ごとに一律10万円引き下げられます。

このほかに、所得税額調整控除の創設、各種所得控除を受けるための配偶者や扶養親族等の合計所得金額の見直しなどの変更もあります。

今回の税制改正により、ほとんどの従業員は税額に大きな影響を受けません。しかし、年末調整で使う書類等が変更になるため、会社が行う手続きは複雑になることが予想されます。

年末調整の方法が変わるのは2020年分からですが、2019年分の年末調整時に2020年分の給与所得者の扶養控除等申告書を従業員に記入させる会社は多いと思います。2020年分の扶養控除等申告書は2019年分のものと様式が変わっているため、従業員が混乱するおそれがあります。

例えば、「源泉控除対象配偶者」や「控除扶養親族」の要件が変わるため、これまで扶養親族等だった人が該当しなくなるといったケースも出てきます。

また、2020年分の扶養控除等申告書では、「単身児童扶養者」という欄が追加されています。ここは児童扶養手当を受給しているシングルマザーやシングルファーザー(未婚の場合含む)がチェックする欄ですが、チェックを忘れると住民税の非課税措置が受けられません。

2019年分の年末調整時には、扶養控除等申告書の記入の仕方で従業員が混乱するおそれがあります。従業員へ事前に注意喚起するようにしましょう。

年末調整手順1. 申告書用紙等の準備(11月中旬頃)

国税庁のホームページから年末調整の資料をダウンロードする次の資料をダウンロードします

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書

年末調整に必要な源泉徴収簿、法定調書、申告書用紙等の書類は、手引き(「年末調整のしかた」)と一緒に税務署から会社宛に郵送されます。書類が届いたら内容を確認しましょう。

年末調整で配られる申告書は3枚が一般的で、会社によっては4枚配布される。一昨年までは2枚が一般的だったが、税金の仕組みが年々複雑になり、昨年から1枚追加された。3枚の申告書の長~いタイトルは以下のとおり。

1.令和元年分 給与所得者の保険料控除申告書
2.令和元年分 給与所得者の配偶者控除等申告書
3.令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

1の「令和元年分 給与所得者の保険料控除申告書」は、自分が加入している生命保険、介護医療保険、地震保険などの今年分(平成31年/令和元年分)の支払い額を申告して税金を減らしてもらう申告書。2の「令和元年分 給与所得者の配偶者控除等申告書」は、配偶者(旦那さんから見た奥さん、奥さんから見た旦那さん)の所得を申告して、該当すれば税金を減らしてもらう申告書。3の「令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、扶養家族の状況を申告し、来年1月から毎月天引きされる所得税の額を算出するための申告書だ。

 1と2は、年末調整のために必要な申告書なので早めの提出が求められる。3は、来年の1月の給与計算に必要なので、それほど急ぎではないが、慣習として年末調整と同時期に配布・申告をすることが多い。2の給与所得者の配偶者控除等申告書の裏面には「令和元年の最後に給与の支払を受ける日の前日までに、給与の支払者に提出してください」と書かれているが、全社員が12月の給料日の前日に提出したら年末調整ができないので、大手企業ほど早めの提出が求められる傾向がある。同様に、3の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の裏面には「令和2年の最初の給与の支払を受ける日の前日までに……」と書かれているが、他の申告書と一緒に提出しよう。

 会社によっては、4枚配布される場合がある。4枚目として「平成31年(2019年)分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が加わるが、これは昨年の年末調整で提出したもの。この1年で結婚したとか離婚したとか、扶養家族に変化がなかったかの確認用だ。

 万が一、年末調整の提出期限に間に合わないときは、1と2が優先。3は遅れても実務上は支障がないはずだ。大きな声では言えないが、提出期限を過ぎても諦めないで、感謝の念を忘れず「申し訳ありません」とお願いすれば受理される可能性は高い。

年末調整手順2.申告書用紙を従業員に配布(11月中旬~下旬頃)

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