1. まとめトップ

低所得者になるほど多い「貧困肥満」 その原因は全ての生活が無計画だから?

ひと昔前では富裕層に肥満が多かったようですが、今はその逆で世界的に見ても貧困な人ほど肥満になりやすいようです。それはもちろん健康意識の差もありますが、コンビニ食やジャンクフードなど低価格な食品を食べる機会の多いなど食生活に偏りが多く見えるのも大きな原因のひとつとなっています。

更新日: 2020年01月20日

3 お気に入り 9145 view
お気に入り追加

この記事は私がまとめました

egawomsieteさん

■低所得者になるほど肥満の傾向

「肥満者の割合は男女とも低所得層のほうが高い傾向にあり、年収600万円以上の男性の肥満率は25.6%であるのに対し、年収200万円未満の低所得者38.8%と13.2ポイントの差がある」

(「平成26年国民健康・栄養調査」の要旨)

■「貧困肥満」問題~金持ちの象徴だった「肥満」が貧困の象徴に

タニタのサイトでは、経済協力開発機構(OECD)のレポートを紹介しつつ、肥満と経済の関係を分かりやすく解説しています。そこでOECDのレポートを大きくまとめると、以下のようになります。

・肥満になると医療費がかかる=健康リスク+経済リスク増

・肥満者の所得は肥満でない人より少ない

・肥満者の子どもは肥満になりやすい

米国のみならず日本においても経済格差の広がりにおいて、「貧困肥満」という問題が取り上げられるようになりました。かつてはお金持ちの象徴であった肥満が、今や貧困の象徴となりました。

その理由は、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」でも明らかにされた栄養バランスの偏りによる肥満化傾向です。具体的には、「低所得世帯は高所得世帯に比べて、肉や野菜の摂取が少なく、穀物の摂取が多く、栄養バランスが取れていない」というものです。

・肥満者は借金しやすい

「肥満や痩せは、多くの場合、医学の問題として取り上げられるが、実は経済学の問題でもある」という、大阪大学・池田教授による体重と経済の関係についての研究を紹介しています。

池田教授は、借金の有無と肥満者の割合という調査統計データから、肥満者は借金しやすい傾向にあることを示し、肥満に至る性格や行動分析を行っています。その結果、「せっかち」な性格や、「先送り」「ドタキャン」といった行動が、肥満につながりやすい傾向にあることを説明します。

この傾向は、食べたいという誘惑に負けることから、脂肪という不要な負債を抱えること、健康維持のための自制(計画実行性)に欠けることから、「貧困肥満」から抜け出せない可能性をも示唆します。米国のホワイトカラー層では、肥満・喫煙習慣が「自己管理できない」ことを示す指標とされている話とも重なるようです。

■貧困層の多い地域に住むと肥満や糖尿病のリスクが増大する

1994年、アメリカ合衆国住宅都市開発省はボルチモア・ボストン・シカゴ・ロサンゼルス・ニューヨークに住む貧困家庭を対象にした壮大な実験を行いました。

実験ではアフリカ系アメリカ人を中心とした4600世帯の貧困家庭をランダムで3グループに分け、1つのグループにはより貧困層の少ない地域へ転居できる住宅引換券、別のグループにはさまざまな商品と交換できる引換券、そして最後のグループには何の特典も与えませんでした。

貧困層の多い地域から転居しなかった人々と比較して、貧困層の少ない地域へと引っ越した人々は肥満と2型糖尿病にかかる割合が有意に低くなったのです。この発見について2011年に論文を著したテンプル大学のRobert Whitaker氏は、「よりストレスの少ない環境へ引っ越すことが、肥満と2型糖尿病の減少をもたらしたのです」と述べています。

Hasson氏は、「年収2万ドル(約220万円)を下回る貧困世帯に属することは、強いストレス要因となります」と述べており、貧困に陥りやすい黒人やヒスパニックといったマイノリティの人々はより多くのストレスを受け、より健康被害を受けやすい可能性があるとのこと。一方では社会的・経済的地位が高いほど、マイノリティの人々であっても2型糖尿病のリスクが減少するそうです。また、貧困ラインに属する白人は、そうでない白人よりも2型糖尿病になる割合が高くなります。

■低所得者ほどカロリー過剰摂取…1日5000kcalな食生活

厚生労働省は2015年12月初旬、「国民健康・栄養調査」で「低所得世帯は高所得世帯に比べて、肉や野菜の摂取が少なく、穀物の摂取が多く、栄養バランスが取れていない」と発表して話題となった。

今や太っていると低所得者だと社会ではみなされる。とりわけ日本、アメリカなどの先進諸国ほどその傾向が顕著だ。生活保護受給率全国ワーストワンを誇る大阪市役所の職員に聞いた。

「刑務所から出所したばかりの人を除けば、たしかに肥満傾向にあるという印象が強いです。気になるのはお子さん連れで来られる場合です。そのお子さんも例外なく肥満している。昔なら栄養状態がいいと我々も気にならなかったのですが……」

ジャンクフードの偏った食生活

貧困だからこそ太る。これはハンバーガーやファミレス、コンビニ弁当にみられるファストフードでの食事ばかり摂っているからだという。

「生活保護受給層の1日の食事を聞いてみました。30代女性ですが、朝、昼、晩と近隣で買ったコンビニ弁当3食、そしてインスタントの味噌汁です。これを毎日続けていたら、それは太りますよね?」(前出の大阪市職員)

成人の男性で建築業や宅配業といった肉体労働をしている者ならば1日3500kal摂取しないと体力的にもきつい。だが丸1日家にいて動くことのない生活保護受給者が3食コンビニ弁当、それに加えてアイスクリームやチョコレート菓子を延々と食べ続ける。摂取カロリーは約3000kalを超える。これだけでも1日のカロリー摂取量は高い。太る原因がここにある。

先述した生活保護受給の30代女性の場合、コンビニ弁当3食に加えてチョコレート1枚、アイスクリーム1個は必ず1日に一回摂取しているという。消費カロリーは最低3500kalを超える。コンビニ弁当以外ではファミレスでの食事だ。高カロリーであることには違いはない。大阪市健康局関係者が語る。

「食事だけならいざしらず酒も呑み、つまみも摂っていました。1日の摂取カロリーは5000kal強。それでいて運動はしない。就職活動はできない状況だそうで。だから外にも出ない。太って当然です。そして太っているからこそ仕事も出来なくなる。悪循環です」(同)

1 2