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コロナデマになぜ踊らされてしまうのか?そんな心理を探ります

新型コロナウイルス、新型コロナ、新型肺炎、COVID-19

更新日: 2020年03月22日

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この記事は私がまとめました

namcoreさん

■地域の医療崩壊を起こしかねない悪質なデマなど、ネット上では新型コロナウイルスを巡る様々な情報が飛び交っています。

■デマはウイルスより速く拡散する

WHOはこうしたデマをインフォデミック(情報の感染爆発)と呼び、ウイルスより速く拡散していると警告している

■新型コロナのデマを阻止 SNS各社がWHOと連携表明

新型コロナウイルスにまつわるデマの拡散を防ぐため、フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディア各社が世界保健機関(WHO)などとの協力強化に乗り出している。誤った感染情報や治療法、陰謀論が拡散する「インフォデミック」の阻止が狙い。

■Twitterが新型コロナ感染拡大につながるツイート削除を強化

「かなりの新型コロナウイルスのリスクを人々に与え得る」ツイートを禁止するためにセーフティ・ポリシーを更新した。新ポリシーではウイルスに関する専門家のガイドラインを否定するツイート、「フェイクまたは効果のない治療や予防、診断方法」を促進するツイート、衛生当局や専門家を装って人々をミスリードするツイートを禁止する。

Twitterはまた、衛生当局が推奨するものとは逆の行動を取るよう他のユーザーに呼びかけるツイートも禁止した。たとえば、「コロナウイルスは嘘で、現実のものではない。だからバーに出かけて経営に貢献しよう」といったものだ。つい最近、一部の政治家が似たような発言をし、非難を浴びた。この中には、Fox Businessの視聴者に「出かけよう。地元のパブに行こう」と呼びかけたカリフォルニア州選出共和党議員Devin Nunes(デビン・ヌネス)氏が含まれる。

新しいルールではまた、偽医者を演じたり、「湿った咳ならコロナウイルスではない。乾いた咳はコロナウイルス」といった主張をする人のツイートも禁止する。加えて、中華料理店に行くのを控えるように呼びかけるなど、人種や国籍に基づいて特定のグループをコロナウイルスと関連づけることも許されない。そして、「黒人はコロナウイルスに感染しない」というJohn McAfee(ジョン・マカフィー)のツイートのような人種に基づく主張も禁止される。

■「中国からのパルプの輸入が止まってトイレットペーパーが不足する」「マスク生産のためにトイレットペーパーが不足する」というデマは、各地でトイレットペーパーの品切れを引き起こした。

トイレットペーパー騒動を理解する上でまず大切なことは、ほとんどの人は「トイレットペーパーの生産がストップする」などと本気では信じていないということだ。

このような状況を、社会心理学では「多元的無知」(pluralistic ignorance)という。「自分は信じてはいないけど、周りは信じているに違いないと考えてしまっている状態」のことである。

■SNSで広まった「多元的無知」

「周りはデマに騙されている」という信念が多くの人に共有されてしまった背景には、TwitterやFacebook、LINEなどのSNSが関係しているかもしれない。

■「デマを見抜いた人」も行列に加わる

トイレットペーパーを買いに走った人たちは、実際には「私はデマなんかに騙されない、でもきっと世間の人々はデマに騙されてトイレットペーパーを買い占めるに違いない」「そうなれば自分は大変困ってしまうだろう」と考えていたのだろう。

「自分が『デマに騙されないけど、他の人は騙されるだろう』と思い込んでいる。他の人は騙されるから、自分も(無くなる前に)買わないといけないという事態が続いた」

「2月上旬にうかうかしていたせいで、マスクを買うことができなかった」という失敗経験が市民社会には広く共有されているせいで、「この情報についてあれやこれやと真偽を検討する前に(それで後悔するよりも)念のために買っておいた方がいいだろう」と、多くの人が直感的な判断を下す可能性が高くなってしまう。

適切なリテラシーを持っている人がデマであることを見抜いていたとしても、しかしそのリテラシーによって買い占めの巨大なうねりを防ぐことはできないなら、やはり街からトイレットペーパーがなくなってしまって自分の生活に支障が出るのを避けるため、デマに踊らされた人が押し寄せる前に先んじて買っておかざるをえない。
皮肉なことに、「リテラシーを持っている人」は「デマに踊らされた人」と、結果的には同じ行動をとるように仕向けられていく。

■デマが広まってしまう理由には

新型コロナウイルス感染症や、それによって生じる社会状況に対する「不安」や「恐怖」がある。

新型コロナウイルスに関しては、現時点ですでにたくさんのデマ情報が流れている。そして今後もまた、「新型デマ」は大量に現れることだろう。

■「怖い」情報ほど共有したくなる

一旦落ち着いて「この情報は本当に共有してもいいのか」「この情報にもとづいて行動して大丈夫なのか?」ということを慎重に、場合によっては懐疑的に考える習慣を持つことは大事である。

■「良かれと思って」拡散する人たち

デマを流す人が悪意の塊であるとはかぎらない。「自分が安心できたこの説明を、周囲の人にも届けてあげなくては」といった善意でも拡散される。SNSにおいては「道徳的感情」に訴えかけるようなメッセージがより大きな拡散力を持つことを示す研究もある。デマを撃退するための「正確な情報」は、人の善意を否定することがしばしば求められる。それがときに、相手に情報を受け入れてもらうどころか、かえって態度を頑なにしてしまうことさえある。

■不安な心にデマはスッと入り込んでくる

私たち人間は不安を抱えたまま生活することを嫌う。不安を抱えたまま生活することは、人間にとって多大なストレスになる。生存が脅かされている状況下から速やかに脱するために、不安という信号に敏感になるように認知機能を進化させたからだ。

不安の渦中に放り込まれると、すこしでも早く安心を得て、自分の生活に落ち着きを取り戻したいと行動を開始する。そのときに人は「(自分の不安を鎮めることのできる)納得できる物語」を求める。重要なのは「正確な情報を得て冷静な判断力を取り戻したい」のではなく「まず安心したい」ということだ。

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