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テラスハウス出演者が自殺 リアリティ番組の危険性

日本だけじゃないリアリティ番組の問題

更新日: 2020年06月17日

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satuki7さん

テラスハウスとは?

「台本がない」という台本のもと、一つ屋根の下で複数の男女がシェアハウスする様子を記録したリアリティ番組である。番組からは家と自動車(番組のスポンサーであるTOYOTA製)2台(後述)が用意されている。また共同生活でのルールは特に設けられておらず、共同生活終了時は自己申告後に退去する。

人気のある番組だった

2014年3月31日放送回では、番組最高視聴率9.1%、瞬間最高視聴率13.8%を記録し番組開始以来の最高視聴率を記録した。

テラスハウス出演者が自殺

女子プロレスラーの木村花さんが亡くなった。22歳、レスラーとして前途有望な将来を前に、あまりにも早すぎる突然の死だった。

ご遺族の意向をくみ死因こそ明らかにされていないが、出演中だったリアリティーショー「テラスハウス」(フジテレビ系、ネットフリックスで配信)での彼女の振る舞いに対する、SNSなどの誹謗(ひぼう)中傷が大きな要因であると報じられている。

日本だけじゃないリアリティ番組出演者の自殺

花さんの死をめぐる衝撃は国内だけにとどまらず、海外メディアでも盛んに報道されている。在欧ジャーナリストによると、
「ヨーロッパでも、テレビ、ネット問わず花さんの死は大きく報じられています。背景には、世界各国で『テラスハウス』のようなリアリティ番組が人気を博す一方、出演者の自殺が後を絶たない、という事情があります。その数は世界中で30名をも超えると報じられています」

「昨年、英ITVが放送していた人気リアリティ番組『ジェレミー・カイル・ショー』に出演していた63歳の男性が自殺し、番組は打ち切りとなりました。彼は婚約者に対して浮気をしていないことをウソ発見器で証明しようとするも失敗。その後、婚約者と破局することになり、男性は薬物の大量摂取で自殺したとされます。

そのほか、2013年に仏TF1で放送された、出演者が無人島でサバイバル生活を送る番組「コー・ランタ」では2名が死亡しまた。ことの発端は、出演者の一人が心臓発作をおこし、撮影中に命を落としたこと。すると、無人島に同行していた男性医師に対して責任を追及するバッシングが広がり、それを苦に彼まで自殺したのです。さらにお隣の韓国でも、2014年に恋愛リアリティ番組に出演した女性が、番組内での自身の描かれ方に不満を持ち、『放送されれば韓国で生きていけない』と母親に漏らした直後、自殺しています」

イギリスの大手紙ガーディアンは、木村さん逝去の一報の後、5月27日にはリアリティ番組をめぐるオンライン上での誹謗中傷にフォーカスした記事を出した。
この記事の中では、これまで欧米、アジア、豪州を含む世界中のリアリティ番組において、番組出演中・出演後合わせて、出演者の自殺が38件もあったというという衝撃的な数字が紹介されており、この中にはわずか11歳で自殺を選んだネハ・サワントというインドの番組への出演者も含まれている。
1986年からの合計ということであったが、内訳を見ると2000年以前は2件、2000年代に11件、そして2010年代には25件と年を追うごとに倍増している。記事の中では、強いプレッシャーに晒され続ける出演者に対する制作側のケアの欠如が指摘されているが、リアリティ番組の人気上昇とともに増えている犠牲者の数は、それを裏付けている。

リアリティ番組は攻撃的な反応を生みやすい

一般的なテレビドラマなら、どれだけ悪態をつき、嫌みな行動をとっても「役を演じている」とみなされる。しかしリアリティーショーは、番組の性質上、「個人」の言動や性格に直結するように映る。故に、番組へのクレームではなく、出演者本人にその矛先が向けられてしまう。

アメリカでは、攻撃的な争いを売りにする監視型リアリティ番組が(暴力的なフィクションよりも)視聴者の攻撃的な反応を生みやすいとする調査結果も出ている。また、英国社会では「自ら出演を選んだのだからバッシングされるのも自己責任」といった向きも根強いとされる。

多くのリアリティ番組が「ヤラセ」とされることも重要だ。 UK版Cosmopolitan では、制作側がまずストーリーを決定し、それに沿う「キャラクター」として参加者を採用するケースが多いと報告されている。ヌードや性行為、喧嘩といった過激な行動のオファーを受けたキャストに追加報酬が払われるパターンもあるようだ。

誹謗中傷が自殺の原因

彼らが死に至る経緯はそれぞれ異なり、花さんのケースとひとくくりにして論じることはできない。しかし、リアリティショーの中で出演者たちのプライバシーが過剰にさらされ、メディアやインターネットでの誹謗中傷が彼らの心を蝕んでいるという構図は同じだ。さらに、本来出演者の立場を守るべき番組側が彼らの異常を感知することができず、あるいは見過ごしたことで、最悪の事態を招いているという点も共通している。自殺までいかずとも、精神的、肉体的に大きな負担を強いられているケースは数えきれないだろう。

出演者を守る仕組みが必要

「一般人を番組に出演させ、彼らの素の反応を楽しむというリアリティ番組がこれまで以上に流行し、世界中で娯楽として消費されるなかで、出演者のケアは各国で社会問題にまで発展しています。イギリスでは、上記の自殺を受けて国会議員、精神科医などを巻き込んだ議論が起こりました。今後、日本でも番組を監視する体制を築いたり、出演者のケアを行う心理学者の同行を義務付けたりするなど、構造的な変化が求められるでしょう」

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